『海紀行』人とまちを支える港を訪ねて

『海紀行』人とまちを支える港を訪ねて

日本の物流を支える港

 横浜港は、日本の物流を支えてきた国内最大級の港だ。その横浜港の整備を担う国土交通省関東地方整備局の京浜港湾工事事務所を訪ねた。企画調整課の佐藤義博課長は「現在進めている整備事業は、本牧地区における耐震強化岸壁(−15m)1バースの整備、及び大黒ふ頭における岸壁前面の泊地やそれに続く航路を−15mとする浚渫、並びに横浜ベイブリッジの下層部に整備中の一般国道357号線に連絡する臨港道路の整備を本牧ふ頭及び大黒ふ頭内で実施しています。」と話し始めた。「現在の海運はコンテナが主流で、貨物の増加にともない船舶も大型化の傾向にあります。横浜は歴史がある反面、施設の老朽化も否めません。時代の要請に応えるためにもコンテナターミナルの整備が急務です」。本牧ふ頭は昭和45年に完成したA、B、C、Dの4本の突堤からなる櫛形のふ頭だった。このうちBとCの突堤間を埋立て、広大なコンテナヤードを確保するという。

 南本牧ふ頭は−16mの2つのコンテナバースで、世界でも最大級のガントリークレーンが次々とコンテナを積み降ろしていた。入港する船にはコンテナの最大積載量が6,000個を超える大型の船舶も増えているという。「食糧も資源も港を経て国内にもたらされる事を考えると港湾整備の大切さがわかりますよね」と語る佐藤課長は、調査監督船「たかしま」に市民とともに乗船し、港内を案内することも多い。「主婦のみなさんや子供たちからの乗船希望も多くなっています。港のことをもっと知っていただきたいですね」。事務所のロビーには、子供たちから寄せられたクルーズの絵が何枚も飾られていた。

生まれ変わる本牧ふ頭の櫛形岸壁

海上都市「みなとみらい21」(写真:横浜市港湾局)

建築物の高さは陸側から海に向かって徐々に低くなるよう設計された