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中木戸 明 氏
 1974年若築建設入社。85年広島工事事務所長、89年マツダ防府工事事務所長、05年執行役員第二営業部長、07年常務執行役員土木事業部門担当、08年から現職。熊本大工学部卒、熊本市出身。61歳。
関係者と一体となって急速施工を実現
 瀬戸内海に面し、山口県のほぼ中央に位置する防府市。かつて周防の国の国府が置かれ、交通の要所として栄えた。この町にマツダが自動車の組み立て工場を建設したのは1980年代の初め。その4〜5年後に近くの敷地に部品工場の建設計画が持ち上がった。ただ、敷地は埋め立てから2年という若齢な土地だった。
 その埋立地の地盤改良工事の所長として1989年2月1日に現地に乗り込んだ。「防府では珍しく雪が降った日で、埋立地が一面真っ白い雪で覆われていました。想像以上に地盤は悪く、これを短期間で改良できるのかと思いました」
 敷地面積は約40ha。施主が提示した設計条件は残留沈下20cm以下、圧密強度70%以上。その地盤改良工事を急速施工で短期間に終えなければいけない。
 「特命扱いで工事を受注したのですが、施主はとにかく完成を急いでいて、最初の3カ月で設計、次の3〜4カ月で地盤改良工事、さらにその後、プレロードにより3〜4カ月で圧密完了。そんな計画を立てました」
 地盤改良は各種工法を検討したが、実績の多いサンドドレーン工法を選定。当時、西日本地区にはサンドドレーンの機械が30台程度しかなく、東奔西走してやっとの思いで16台を確保した。
 ただ、搬入には苦戦した。「サンドドレーン機はパーツごと分解して現場に搬入するのですが、1台のサンドドレーン機はトレーラー5台分にもなる。これを現場に搬入する際、隣接する工場の周囲をトレーラーで取り囲んでしまい、近隣からおしかりを頂きました」
 工事が本格化してからも、計測管理手法には頭を悩ませた。「システム的な管理を目指しました。学識者や土質解析の専門家、施主の技術者の方々にご協力いただき、埋立地内に層別沈下計や間隙水圧計、当時としては目新しい三成分コーンなどを埋め込み、沈下量や変形量などをコンピュータで管理しました。携帯電話も普及していない時代ですから、当時の現場としては、精度の高い管理ができたと思っています」
 約1年半程度で工事は無事に終了。その後20年近く経過した今も、現地が気になる。「実はこの後、営業部門に異動したため、この工事が私の〝最後の現場〟でした。その最後の現場で施主やコンサルタント、防府市、関係機関の方々と一体となって仕事ができたことを感謝しています。気になる地盤沈下ですが、もちろん今もないですよ」

 
地盤改良はサンドドレーン工法で実施。
サンドドレーンは約45,000本にも達した。
施工現場の位置図

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