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岡部 憲一 氏
 1971年に五洋建設入社。87年東北支店土木設計課長、90年東北支店原町火力建設工事事務所副所長、94年本社土木設計部長、2002年執行役員土木部門土木営業本部副本部長兼営業部長、05年常務執行役員、07年に現職に。北大卒。北海道出身。61歳。
工学と現場をつなぐ場にする
 広大な太平洋に面した東北電力原町火力発電所(福島県南相馬市)。1・2号機合わせ200万KWの電源施設と、6万トン級の石炭船が接岸できる港湾施設などが整備されている。事業費は土木・建築だけで約2300億円。この巨大プロジェクトに施工計画段階から携わった。
 「外洋に面した港湾施設だったので、東北電力さんと昭和54年から約10年間にわたり、綿密な施工計画を準備しました」。その間、所属は本社調査設計部(現土木設計部)から東北支店設計課に異動。他の仕事も抱えながら、施工計画とそれを支える技術の確立に取り組んだ。
 現場に乗り込んだのは平成2年7月。港湾工事を担当する第五工区JVの副所長だった。「いろんな新技術を導入する準備もしていたので、この現場で工学と(それを実践する)現場をつないでやる」と、意気込んでいたという。
 電力施設の建設はとにかく「大量急速施工」が求められる。だが、港湾工事は天候や波などの影響で予定通りに工事が進まないことも多い。そこでまず取り組んだのが、スペクトル法による波浪予測システムの確立。「このシステムを活用して精度良く波を予測し、着実で安全な施工計画を立てた」。
 現場ではこのほか、シンクロリフト工法によるケーソン進水やGPSを活用したケーソン据え付け、台形ケーソン上部斜面堤、国内初採用となった消波ブロック「アクロポッド」、発電所放水口に剛体連壁放水立坑の構築、桟橋鋼管杭のスターナミック載荷試験など、新技術の開発にかかわった。その新技術の一部はいまも、多くの現場で活用されている。
 「発注者が求める技術はいつの時代も同じ。大別すれば『高品質』『安くできる』『時間を短縮できる』『極めて安全にできる』の四つ。それに合致した提案が、どれだけできるかというのが技術力。それをこの現場で教わった」。さらに、採用した新技術は「当時の運輸省港湾局が研究した技術がベースになっており、改めて感謝している」とも。
 原町火力発電所は平成9年7月に第1号機が営業運転を開始。同施設の港湾整備工事は、当初予定の工期を大幅に短縮し、完成した。

 
(東北電力株式会社:提供)
 建設中の原町火力発電所の港湾施設。主要な港湾工事は第五工区〈五洋建設・熊谷組・東洋建設・若築建設・大都工業(現みらい建設工業)・りんかい建設(現りんかい日産建設)・佐藤工業〉が担当した。
平成4年6月。
浚渫埋立工事が開始された時の記念写真(本人は左側から2番目)

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