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日起建設株式会社 東京支店 工事部部長
船戸 将城(ふなと・まさき)氏
 石油化学や鉄鋼、飼料などの企業がコンビナートを形成する鹿島臨海工業地帯の中央部に位置する鹿島港。その外港地区で水深12m岸壁を整備するための地盤改良工事を手掛けている。長辺51m×短辺39.4mの長方形の施工区域に、深層混合処理工法で476本の改良体を造成し、配電線・給水管設備を施工する工事。改良体は直径1,600mm、長さ(深さ)が10.54m。2軸施工機を使用し、一度に2本ずつ効率よく施工していく。ただ、埋設物の移設や、先行掘削による障害物の破砕・除去などの追加工程により、工期は当初予定の2021年8月末から同11月末に、さらに大径の捨て石の存在などから2022年2月28日まで延長された。地下は「掘ってみなければ分からない」だけに、工期変更にも「柔軟に対応している」という。
 鹿島港は2020年9月に、秋田港、能代港、北九州港と共に「海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾」、いわゆる基地港湾に我が国で初めて指定された。一連の地盤改良工事を通じて地耐力を強化することで、同地区での洋上風力発電設備の仮組み立てが可能となり、海上輸送コストの削減や風車設置箇所での荷役作業の効率化が期待されている。洋上風力発電のための基地港湾の整備は、脱炭素社会の形成に向けたインフラ施設の整備プロジェクトとして注目されており、日起建設の施工現場にも行政機関などの視察が相次いでいる。
 愛知県出身の船戸氏は1982年に名城大学理工学部土木工学科を卒業し、地元に本社のある日起建設に入社。海洋・港湾工事に限らず、道路や下水道の築造、高架橋の耐震補強工事など「海も陸も」幅広い工種に携わり、現場経験を積んできた。印象深い海の現場は、小名浜港(福島県いわき市)での浚渫工事。東北地方整備局発注の「小名浜港東港地区航路(-19m)浚渫工事」(2018年8月~2019年3月)の現場代理人・監理技術者を務め、岩盤を掘り下げて航路を拡げる工事に取り組んだ。それまでの泥土浚渫とは全く異なる岩盤浚渫を経験することができ、記憶に残る現場となった。
 入社以来、今年3月末で丸40年。施工中の地盤改良工事だけでなく、浚渫工事にもICT(情報通信技術)活用が普及し、海の現場も様変わりした。位置出しにGNSS(衛星測位システム)を使ったり、施工状況を視覚化したりすることで、「無駄な掘削などもなくなり、品質管理や出来形管理の精度が格段に向上した」。ただ、デジタル化が進んだとはいっても「一般の仕事に比べれば、肉体的作業は多い」。それだけに「体調管理を含めた安全管理の基本は、いつの時代も変わることがない」。そんな思いを強くしている今日この頃だ。

工事概要
【工事件名】令和3年度 鹿島港外港地区岸壁(-12m)地盤改良工事
【工事場所】鹿島港外港地区内(茨城県鹿嶋市平井)
【発注者】国土交通省関東地方整備局鹿島港湾・空港整備事務所
【請負業者】日起建設株式会社
【工期】2021年4月14日~2022年2月28日
鹿島港外港地区で進む地盤改良工事


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