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青木マリーン株式会社 工事部
森 光夫(もり・みつお)氏
 岡山県の南西部に位置し、瀬戸内海に面した笠岡港。眼前には大小31の島々からなる笠岡諸島が広がり、内海特有の心安らぐ落ち着いた海の景観をつくり出している。青木マリーンの工事部に所属する森光夫職長の現在の職場が、その一角にある。中国地方整備局宇野港湾事務所発注の「水島港玉島地区航路(-12m)浚渫工事」。船舶の安全な航行を維持する浚渫工事のために派遣された同社保有の空気圧送船「Techno I」(テクノ・ワン)に乗船し、元請である若築建設との日々の打ち合わせや、船長への詳細な作業指示に当たっている。
 「Techno I」は、大量の浚渫土砂を加水することなく長距離圧送できるのが特長。ここでは岸壁近くから埋め立て処分場まで延長1,300mのパイプを敷設し、浚渫土砂を連続的に空気圧送している。作業時間は、仕様書に従い「日の出から日没まで」。4船団の土運船で交互に運び込まれる浚渫土砂を、「Techno I」に搭載された2台のバックホウで効率よく移し替え、圧縮空気の力で陸上の処分先まで送り出す。
 掘削、運搬、盛り替え、圧送。一連の作業が滞りなく進行するよう、モニター画面の映像やトランシーバーからの音声で状況を把握しながら、船長らとの連係プレーを続ける。全体の流れを常時確認しながら、円滑な作業の進捗に力を注ぐ。もう一つ、重要なのが、天候の変化の兆しを見逃さないこと。船舶での海上作業は、気象・海象条件の影響をまともに受けるからだ。9月中旬に襲来した台風14号への対応も記憶に新しい。大型で強い勢力の台風の接近に備え、「Techno I」を安全な場所へ避難させる必要があった。そのため、圧送パイプをいったん切り離し、長さ50m、幅30mある船体を4時間かけて退避させた。台風が接近する前の適切な判断が求められた。
 最近は主に瀬戸内海の近辺の仕事が多いが、海外工事の経験も積んでいる。1992(平成4)年7月から1998(平成10)年10月まで丸6年、シンガポールでチャンギ国際空港関連の埋め立て工事などに従事。帰国後、神戸空港の造成工事などに関わったのに引き続き、2010(平成22)年4月から2011(平成23)年5月までミクロネシアで滑走路延伸工事に携わった。話す言葉は違っても、「施工」という仕事を通じて現地スタッフと交流することができたのは、懐かしい思い出だ。島根県の離島、隠岐の島出身。水産高校を卒業し、青木マリーンの前身、コーワ・マリーンに入社したのが1983(昭和58)年4月。以来、今年で39年目。ずっと同じ仕事を続けてこれたのは、海が好きだからに違いない。

空気圧送船 TechnoⅠ
【全装備出力】5,060kW
【排水トン数】1,000㎥/hr
【船体主要寸法】長さ 50.0m、幅 30.0m、
深さ 2.5m、吃水 1.5m
【建造年月日】2018年5月
「Techno Ⅰ」は、加水をせずに大量の土砂の長距離圧送が可能な空気圧送船。
土質:含水比100%シルト、距離:1,000mの圧送条件で、時間当たり約1,000㎥/hrの圧送能力を有している。
笠岡港で稼働中の Techno I(テクノ・ワン)


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