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徳倉建設株式会社 本店土木部
末松 秀章(すえまつ・ひであき)氏
 名古屋港管理組合発注の「弥富ふ頭第1貯木場北側護岸整備工事(その2)」で、施工を担当した徳倉・鈴中特定建設工事共同企業体の監理技術者として施工管理に携わった。伊勢湾岸自動車道の飛島ICにほど近い、愛知県弥富市楠2丁目地先の貯木場跡に、築堤工事によって仕切りを作り、名古屋港の維持浚渫土砂の捨て場を整備する工事。築堤で囲われた施工区域の海面は、やがて埋め立て地として造成され、臨海部の工業地域の一角を占めることになる。
 今回の現場では、築堤工の前段となる地盤改良から一貫して担当した。これまでの現場経験を生かせば、取り立てて高度な施工技術が求められる工事ではなかったものの、昨夏の台風シーズンには基礎部分が波浪による洗くつで流される懸念があり、その対応に追われたのが思い起こされる。完成してしまえば強固な構築物も、施工途中は気象・海象条件の影響を受けやすい。サンドコンパクションから始まった築堤工は、2月中旬の設定工期を前に無事完成、竣工検査もすでに完了した。
 「海の仕事に就きたい」との思いから水産大学校に進み、機関学を専攻。工学科の出身が多い建設技術者の中では異色の経歴の持ち主でもある。進路の選択肢には水産業界だけでなく建設業も含まれていたことから、出身地に本社のある徳倉建設へ就職。これまで海上工事に限らず、さまざまな現場を経験してきた。下水道の推進工事を皮切りに、九州新幹線、中部国際空港と大型インフラの施工にも携わってきた。なかでも中部国際空港の建設工事には2000年から2005年2月の開港直前まで5年間にわたって関与。埋め立てから空港島内の工事まで携わり、思い出深い現場の一つとなった。
 監理技術者として最も重視しているのは、安全の確保。施工に際しては安全設備に不備がないか、常に気を配っている。作業所で行う朝礼では、その日の作業上の危険個所について「作業員さんに直接、身近な言葉で伝えることを心掛けている」という。作業が始まる前に現場を巡視して自ら感じた危険なところを、「なるべく短い言葉で、心に伝わるように話す」ことを大事にしている。安全第一が基本中の基本だ。
 今回手掛けた工事の工期は、新型コロナウイルスの感染が拡大した時期とも重なる。国内で最初の患者が発生したクルーズ船の事例が想起され、船舶を用いた作業時など、感染症対策が重要な業務の一つに加わった。何が有効策なのか手探りの中でも、作業船の換気をはじめ、「やれることをできる範囲で実行する」ことで、感染者の発生や現場が止まるような事態は回避することができた。不測の事態に直面した時も、冷静、着実に「今できることを実行」していけば、必ず乗り切ることができる。それが、未曾有の出来事を経験して得た教訓なのかもしれない。
工事概要
【工事名】弥富ふ頭第1貯木場北側護岸整備工事(その2)
【施工場所】愛知県弥富市楠2丁目地先
【工期】2020年1月25日~2021年2月19日
【工事内容】覆土・盛上土撤去工
築堤工
ポンプ浚渫
基礎捨て石投入
裏込め石投入
均し
防砂シート敷設
岩ずり投入
35,245㎥
11,048㎥
9,624㎥
3,188㎡
3,769㎡
30,122㎥
【発注者】名古屋港管理組合 港湾工事事務所
【受注者】徳倉・鈴中特定建設工事共同企業体


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