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家島建設株式会社
浚渫船「ハリマ二アン青龍」船長
阿部 賢(あべ・けん)氏
 家島建設が保有する浚渫船は3隻。このうち、最新鋭の機器を装備しているのが2017年10月に建造した「ハリマニアン青龍」だ。台船の発電機の余剰電力を蓄電池に充電するシステムと、クレーンのグラブバケットの巻き下げ時に発生する回生電力を蓄電するダブルハイブリッドシステムを採用。さらに最新の施工管理システムも搭載している。その青龍の船長になって2年目になる。
 「前船長が体調を崩し、急きょ船長になったが、これまで通り安全を最優先しながら作業を進めている」。
 現在、国土交通省近畿地方整備局発注の尼崎西宮芦屋港尼崎地区航路泊地(-12m)浚渫工事に携わっている。自動車の積出港の航路泊地を約1万5,500㎥浚渫する。「すぐに土砂が貯まる場所で以前も別の浚渫船で担当した。その時は昼間の作業だったが、いまは船舶の着岸が多いため、夜間作業で行っている」。
 作業時間は午後6時から翌朝5時まで。午後5時ごろから準備に入り、作業自体は午前3時までにはほぼ終え、それから係留地に戻る。夜間なので浚渫場所周辺には監視船を2隻配置し、安全対策には万全を期している。「最新の施工管理システムが搭載されているので、夜間でも精度良く作業ができる。ただ、暗闇での作業なので船を係留地まで戻すまでは常に細心の注意を払っている」。
 入社したのは26歳の時。宮城県の水産高校を卒業し、冷凍運搬船の甲板員として8年間世界の海を巡った。たまたま休暇中に同社の起重機船の手伝いをしたのがきっかけで、この世界に入った。最初は起重機船の甲板員からはじめ、浚渫船のオペレータなどの経験を積み重ね、44歳の時に浚渫船「雄秀」の船長に。その4年後には浚渫船「真洋」の船長に就き、ベトナム・ラックフェン港浚渫工事など、国内外でさまざまな浚渫工事を担当した。
 生き物が好きで、船内に水槽を置き、ミドリガメを育てたこともある。「小さなミドリガメを海で拾ったので、水槽に入れて餌をあげていたら、ものすごく大きくなってしまいました」。新しいものへの関心も強い。ドローンをすでに3機購入。そのうち1機は船内に置き、休暇に操縦することもある。「仕事もそうですが、新しいものに挑戦してみたい。青龍に初めて乗った時、駆動音が余りにも静かなのに驚きました。最新の装置や機械は優れたものが多い。それを使いこなせるようにしていきたい」という。
 今年1月、青龍の船員の中に20代の女性が加わった。作業船に興味があり、自ら志望して船に乗り込んできた。「青龍には女性用トイレなどもあり、女性が働けるような施設が整っている。いまはオペレータの見習いをしてもらっているが、やる気がある人なので、きちんと育てていきたい」。新しい仲間がどう育っていくのか、期待が膨らむ。
アンカーチェーンが床下に格納され、安全性も向上した青龍
Wハイブリッド・グラブ浚渫船「ハリマ二アン青龍」
【船体概要】全長60m、全幅25m、吃水2.3m、スパット3台(スイング式1台、固定式2台)、スパットスイング角30度、全旋回式クレーン兼浚渫機(グラブバケット仕様)ジブ長さ28m、直巻能力110t、作業半径15.7m~22.2m、バケット容量22㎥(標準型)、浚渫可能深度最大60m、巻き上げ揚程最大6m。
【特  徴】
  • ダブルハイブリッド(台船ハイブリッドとクレーンハイブリッド)を採用
  • 最新版施工管理システム(RTKGPSとサテライトコンパス、バケットの掘削軌跡自動記録・深度色分け表示、海底地形探知ソナーなど)
  • アンカーチェーン床下格納
  • マルチカメラ
  • 超低騒音マフラー


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