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![]() 建設事業部土木部 所長 大脇 邦夫(おおわき・くにお)氏 名古屋生まれで、地元の愛知県内の港を中心に多くの仕事を経験してきた。昨年秋から今年春にかけて担当したのが、半田市の衣浦港にある岸壁の改良工事。供用から40年ほどがたつ岸壁の劣化した杭や梁を修復・補強する工事だ。 工事の対象は「中央ふ頭西6号岸壁」。燃料や製紙原料になる木材チップを満載した大型船が頻繁に接岸する衣浦港で最も大きな岸壁という。河村産業所は3年ほど前からこの岸壁の一連の修繕工事を手掛けてきた。 鋼管杭の腐食による耐力低下を補強する鉄板巻きと、劣化した被覆防食の復旧、桟橋直下の傷んだ梁の鉄筋とコンクリートの復旧。これらの作業を、岸壁を使用しながら行うのが条件だった。 積み荷を運ぶ大型トラックも岸壁へしばしば乗り入れるだけに、工程の調整が成否の大きなカギを握る。船の運航を仕切る海運会社と綿密に連絡を取り、協力を得ながら作業を進めた。梁の修復では1日に4~5時間しか作業ができないこともあったが、工期通り無事に引き渡しができた。 林業土木関係の建設コンサルタントの仕事をしていた父の影響で、小さい頃から建設業界にはなじんできたという。大学で土木を学び、建設会社を進路に選んだ。「出来上がった時の達成感と充実感がこの仕事の魅力。しかも苦労をした工事ほどそれが大きくなる」と話す。 現在54歳。今回の工事では、発注者が進める若手技術者育成の方針に沿って20代後半の若手を現場スタッフに起用して指導した。「まずは自分で考えること。最初から人に聞くのではなく、自分の考えを固めてから質問せよ」。それが第一の教育方針という。「整理整頓は基本中の基本。書類は意味の通じる文章で書け」とも。注意すべきことは、同じことでも気付いた時にすぐ、何度でも言う。そう語る表情に、次代の担い手を鍛える責任感と期待がにじむ。 「現場の課題に一つ一つ一生懸命に取り組み、良いものを作って引き渡し、良い評価を頂く」。いつもそれを心掛けてきた。これからもその目標は変わらない。 現場を一つ終えると会社から与えられる10日間のリフレッシュ休暇を取り、趣味のゴルフでゆっくりと羽を休めた。今夏からはまた衣浦港に戻り、今度は浚渫工事を手掛ける。 |
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劣化した杭と梁の改良工事を終えた岸壁 | ||||||||||||||
工事概要
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