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ヤマト工業株式会社
グラブ式浚渫船「八宝耀(はちほうよう)」副船長
十河 尊文(そごう・たかふみ)氏
 幼少期から父親の仕事を間近で見てきた。小学生の頃の楽しみは夏休みや冬休みに父親が乗る船に遊びに行くことだった。浚渫船の船長だった父親の姿に憧れ、早く自分も「クレーンの操作やボートの運転がやりたい」との思いを抱いていた。だから、職業の選択に迷うことはなく、中学校卒業と同時に父親と同じ会社に入社、海の仕事に就いた。キャリアは33年目を迎える。48歳での経験年数で右に出る者はたぶんいないだろう。前の会社では既に船長経験もある。
 家族は和歌山市に暮らし、子供は2人。地元で仕事を行うことは少ないので、自ずと単身赴任での生活が続く。作業区域に一般の人が立ち入ることはできず、乗船することもできない。今は「自分の子供時代のようには振る舞えない」のが当たり前。父親が働く姿を子供に見せる機会はなく、家族も「仕事の内容を詳しくは分かっていないに違いない」。
 港湾工事の内容や浚渫の作業自体を「知らない人が多いのではないか」と思っている。そもそも「知る機会がないので致し方ない面も」あるが、友達からも「漁師か?」とからかわれるくらいで、港湾工事を分かっている人の少なさを実感している。
 建設業界はどの職種も将来の担い手確保に苦慮しているが、「仕事内容をよく知らずに来ても、そうした若者はなかなか長続きしない」。着岸していれば休日に遊びにでも行けるけど、「沖に出たら陸に上がれないというのは、若者には厳しい環境」であるのは否定できない。
 自分のこれまでを振り返ると、若者には「いろんなものにチャレンジしてもらい、若いうちにいろんなことを経験してもらいたい」。実際にやってみないと相性や適正は分からない面があるから、「何でも体験してもらった上で、仕事を決めたらいい」とアドバイスを送る。
 「八宝耀」は名古屋港内の泊地浚渫工事に携わった後、衣浦港に移動。火力発電所リフレッシュ工事の関連作業に当たっている。
グラブ式浚渫船「八宝耀」
【船体寸法】全長60.0m、幅24.0m、深さ4.0m、
喫水2.2m
【最大吊能力】直巻能力100t、
巻上ロープ速度 毎分0~60m、
巻下ロープ速度 毎分0~80m(重量型0~55m)浚渫深度 水面下50m、
グラブバケット25㎥
ワイドバケット(28㎥)や軟土盤用グラブバケット(25㎥)を装備するとともに、3本のスパッドを備え、船体の前進・後進は船尾スパッドの±15度傾斜キック力で敏速に行える。


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