title
title
title
Back Number

株式会社トマック
AUGUST EXPLORER 船長
則安 孝昭(のりやす・たかあき)氏
 1995年の入社以来、ポンプ浚渫船、地盤改良船、揚土船などさまざまな船に乗って海の工事を手掛けてきた。そして2016年8月、東洋建設が建造した最新鋭の自航式多目的船「AUGUST EXPLORER」の船長に。
 3カ月程度の外洋作業に対応できる航海能力を持ち、居住区には船員14人を含めて52人を収容可能。1日2,000人分の飲料水を賄う海水淡水化装置も備えたこの船の用途は、海上での多様な工事に加えて、海洋調査・探査業務から資機材運搬、災害支援活動までと幅広い。船員たちは、年末年始やお盆の休暇期間以外、一年の大半を船の中で過ごす。
 岡山で生まれ、地元の工業高校を出てこの世界に入った。きっかけは高校の先輩がトマックにいたこと。特に海の仕事に憧れていたわけではないが、「仕事をしているうち、その面白さにすっかり魅せられた」と振り返る。
 国内は北海道から沖縄まで、海外の工事もフィリピン、ベトナム、台湾で通算3年ほど経験した。条件が厳しいほど闘志も湧く。ベトナムで手掛けた製油所の関連工事では、ローカルの作業員に囲まれ、言葉を覚えながら作業をこなした。「苦労をして成し遂げた時の達成感」が原動力という。海の工事では、普通に生活していたら見ることができない大自然の景色が味わえるところも魅力だと思っている。
 この業界もやはり担い手の確保が大きな課題。「楽しんで仕事をしてきた」という自身の経験から、若者には「やってみて初めて楽しさが分かる。まず飛び込んできてほしい」と呼び掛ける。船内には各船員用に清潔で快適な個室があり、インターネットもつながるが、「船の中の長い暮らしを楽しめるかどうか。この仕事の面白さを若者に伝えるのはなかなか難しい」とも。
 船長としては、後継者を育てることも仕事の一つ。すべてのことを自分で考え、判断を下すのが船長の役割と責任だけに、普段からみんなの意見を聞き、それぞれに考えさせることを教育方針にしている。「道具は日々進歩し、かつてに比べると現場に求められる安全面も非常に厳しくなっている。昔のやり方だけでは人は育たない」。
 脂が乗り切った41歳。自身の目標は「この素晴らしい船が人と共に選ばれるようになること」と話す。高性能の作業船も、それを使いこなす優れた船長・船員と切り離せないという意味。「まず船ありきではなく、人あっての船。能力を磨き、『あの船長と船を』とセットで声を掛けていただけるようになるのが理想です」。
自航式多目的船 「AUGUST EXPLORER」
【船体寸法】全長89.9m 幅27m 深さ5m
【最大吊能力】500(t 最大ジブ長57.4m)
【最大積載荷重】3,500(t 常用時2,800t)
【最大搭載人員】52名(船員14名含む)
【 喫 水 】軽荷2.76m、満載3.95m
【総トン数】4,831t
【航海速力】10ノット
【D P S】2ノット+風速15m(全方向に対応)
【推進装置】全旋回式1,417kW×2基
(360度回転・2,000PS×2基)
【バウスラスター】昇降式全旋回式590kW×2基
(360度回転・800PS×2基)
【補助スラスター】トンネル式330kW×1基
【燃料タンク容量】1,000kL(3カ月間の無寄港航海)
【スパッド】L=33m(水深20mまで対応可能)
【海水淡水化装置】飲料水製造能力4m3/日、
清水製造能力16m3/日
さまざまな海上作業に対応する
最新鋭の多目的船AUGUST EXPLORER


Back Number