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大新土木 株式会社 グラブ浚渫船「第28五大」 船長
今津 宏司 氏
 入社後すぐに作業船に乗り、33歳で砂まき船の船長になった。これまで大阪湾フェニックス計画(大阪湾圏域広域処理場整備事業)や神戸空港、中部国際空港、羽田空港再拡張事業など国内を代表するビックプロジェクトに携わってきた。「作業船に乗って今年で29年目になりますが、そのほとんどが砂まき船です。砂まきは潮の流れや船の速度など経験がものをいう世界。操作は難しいが、やりがいもあります」。ただ、大型の砂まき船を使うような大規模工事がなくなり、一昨年1月からはグラブ浚渫船「第28五大」の船長になった。
 「浚渫船は初めてで、若い頃少しお手伝いをした程度。同じ作業船でも埋めるほうから掘るほうですから、勝手はかなり違います」。
 第28五大はRTKーGPS測量やソナーによる高精度の施工管理システムなどを備えた新造船。当時では珍しくソーラーパネルを船の屋根に取り付け、室内照明にはLED照明を採用するなどエコ対策も施されている。
 これまで東京湾の新海面処理場や福島県の広野火力発電所、愛知県の三河湾などで浚渫工事を担当した。このうち、東京電力の広野火力発電所には昨年3月11日の東日本大震災の発生から約1カ月後に行き、浚渫作業を行った。「広野町は事故が発生した福島第一原発から約20キロ離れたところです。火力発電用の石炭船が入港できないということも分かっていましたので、1カ月間懸命に航路浚渫を行いました」。
 この9月から再び東日本大震災の被災港湾に行き、復旧工事を手伝う。「まず福島県の相馬港に行き、その後宮城県の女川港にいく予定です。仕事は津波で壊れた防波堤(ケーソン)の撤去です」。
 ケーソンの撤去工事は、グラブ浚渫船のバケットの代わりに、海底の岩盤を砕く砕岩棒を取り付け、倒壊したケーソンを海中で砕き、撤去するというもの。硬土盤型バケットの爪の部分で挟んで砕くこともある。
 「砕岩棒でケーソンを砕くというのは、初めてのことで作業イメージがわきません。いつも作業前には頭の中で作業のイメージを描き、現場に入るのですが、今回は実際に2、3回叩いてみないと分かりません。気象・海象条件に加え激しい作業で機械類も傷みやすいと聞いています。ワイヤーの取替作業は危険な作業なので、細心の注意を払って安全第一で作業したいと思います」。
 工事が始まれば、陸に上がることは少なく、基本的には仕事も生活もすべて船内となる。家族のいる山口県長門市には、毎年4回程度しか帰れない。それでも、これまでの仕事を振り返ると「作業船に乗って良かった」という。ただ、残念に思うこともある。「羽田空港再拡張事業のようなビックプロジェクトが発注され、もう一度思う存分海上で砂をまいてみたい」。
グラブ浚渫船「第28五大」
グラブ浚渫船「第28五大」
【船体寸法】 長さ58.8m、幅23.0、深さ4.0m
【浚渫機】 浚渫機直巻能力110トン、
最大作業半径15.7〜22.2m(バケット作業時)、
同15.7〜30.4m(クレーン作業時)、
最大浚渫深度60.0m
【バケット】 形式はシーブ方式、容量は標準型25m3、硬土盤型9m3

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