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みらい建設工業株式会社 九州支店 鹿児島作業所 所長(監理技術者)
野村 信二 氏
 九州の南端に位置する鹿児島港。港内には本港区、新港区、中央港区など7港区があり、港湾区域は南北に約20kmにも及ぶ。これらの港区を連結し、効率的な港湾貨物輸送と背後地にある一般道の渋滞緩和を目的に計画されたのが鹿児島臨港道路整備事業だ。みらい建設工業九州支店の野村信二鹿児島作業所長はこの臨港道路整備事業のうち、中央港区に架かる橋梁の橋脚工事を担当している。
 「この工事は鋼管矢板井筒工法で橋脚の基礎をつくるものです。すでに鋼管矢板は円形状に閉合を終え、ようやく井筒の中をドライな状態にしたところです」。
 鋼管矢板井筒工法は、継ぎ手が取り付けられた鋼管を円状に打設して井筒状の形をつくり、その中をドライにさせて橋脚の基礎をつくる工法。「鋼管打設は昨年12月初旬から開始し、今年1月20日までに30本すべての打設を終えました。海底地盤に鹿児島特有のシラスの土質があったのですが、無事に施工できました」。
 鋼管は直径1,000mm、杭長43m。継ぎ手をかみ合わせながらフライングハンマーで1本ずつ打設していき、その後鋼管内や継ぎ手内の土を掘削し、コンクリートを打設する。課題となったシラスは水分を含むと固くなるため、協力会社などとも相談しながら慎重に掘削した。「鋼管打設には細心の注意を払いました。ミリ単位の精度が求められるため、測量技術などを駆使しながら施工を進め、止水もうまくできた」。
 野村所長は入社して30年近くになるが、その3分の1を鋼管矢板井筒工法の施工に携わったという同工法のエキスパート。自分が経験した施工ノウハウを若い職員に一つでも多く伝えたいという。「事務所には若い部下が2人いますが、"ホウレンソウ(報告・連絡・相談)"だけはきちんとやってくれれば、俺が責任を持つから、思い切って仕事をしろと言っています」。萎縮せず、のびのびと仕事をするのが"野村流"だ。
 工事は5月の連休前に水中コンクリートで井筒内に底版コンクリートを打設。その後、直径約11mの井筒状をドライな状態にし、これから本格的な躯体工の施工に入る。底版コンクリートの上に頂版部をまず施工し、その後足場、鉄筋、型枠を組み立て、コンクリート打設を順次繰り返していく。
 「高所作業が増えるので、これからはより安全対策を万全にしたい。それと現場となる井筒内の周りは水なので、いつ水がしみ出てくるかもしれない。その際、どう水を扱えばいいのかも考えながら施工を進めたい。この工事のポイントは、水とうまく付き合うことです」。
【工事名】 鹿児島港(中央港区)橋梁(C)P5築造工事
【工事場所】 鹿児島市宇宿2丁目地先
【発注者】 国土交通省九州地方整備局鹿児島港湾・空港整備事務所
【工 期】 2010年8月30日〜2011年12月26日
 
橋梁Cの位置図(鹿児島港中央港区)  鋼管矢板の打設状況。 後方には桜島が見える。

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