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![]() 城戸 順康 氏 「陸上と海ではやっぱり海の工事が面白い。厳しい海象条件など苦労も多いが、スケールの大きさが魅力だ」。 大学で消波ブロックの研究を行い、旧日本テトラポット(現不動テトラ)に入社。今年で入社21年目になる。若い頃、4年間だけ消波ブロックなどの設計に携わったが、残りの16年間は現場勤め。「海洋工事も担当したが、実は陸上工事のほうが多かった」。現在、名古屋港鍋田ふ頭岸壁(−12m)上部工事(国土交通省中部地方整備局発注)の作業所長として現場で指揮を執る。 「港湾工事はこれで2件続いている。この工事は、昨年支店で内勤をしていた時に、受注前の積算から技術提案まで自ら手がけただけに、工事の特長や施工条件の厳しさは分かっている」。 同工事は名古屋港鍋田ふ頭(第3バース)に水深12m岸壁を整備するため、捨石、被覆石の施工と、プレキャスト上部工(RC受梁)12基の製作、うち6基の据付を行うもの。今年2月末に受注し、これまで製作ヤードの整備などを進め、7月からようやくRC受梁の製作に着手した。 「この工事の課題は二つ。一つは打設された鋼管杭に最大400トンのRC受梁を2cm内のクリアランスで精度良く設置すること。もう一つは施工場所付近で海上工事が錯綜しているため、他の工事が終わらないと、海上工事に入れず、工期がタイトになること」。 受梁の設置は1,300トンの起重機船を使って行う予定だが、施工方法などの詳細は現在検討中で、設置は12月から。一方、海上工事の施工は工事船舶の運航状況などを調整する「名古屋みなと建設工事安全連絡協議会」を通じて、他社の施工状況などを把握しながら、できるだけ早く海上施工ができるように関係者に働きかけていくつもりだ。 「捨石などの海上工事は早くても10月下旬から。これが1日でも早く取りかかれるように準備を万全にしていきたい」。 現場所長はこの工事が3件目。所長になってから、いつも心がけていることがある。「とにかく現場に出ればいろんな人と会話し、声をかけ、コミュニケーションをとっている。それと、現場の第一線で働く社員とは別の視点で現場を見るようにしている。客観的に現場をみていないと、ムダや安全対策の不備は見えてきません」。 現場は10月から最盛期となる。現場所長の苦労もこれから本番を迎える。 |
【工事名】 | 平成21年度名古屋港鍋田ふ頭岸壁(−12m)上部工事 |
【発注者】 | 国土交通省中部地方整備局 |
【工事場所】 | 愛知県弥富市富浜4丁目地先 |
【工期】 | 平成22年2月24日〜平成23年1月31日 |
【工事概要】 | 基礎捨石(8,842m3)、被覆石(7,056m3)、RC受梁製作12基、RC受梁据付6基、仮置ヤードなど |
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