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若築建設株式会社 九州支店 三池作業所
田北 文彦 所長
 三池炭鉱から産出される石炭を積み出す専用港として1908年に開港した三池港。航路に沿って整備されている石積み防砂堤の眺めは壮観で、石炭全盛時代の面影が残る。三井鉱山は1997年に閉山したが、背後地にある大牟田テクノパークなどの整備に伴う港湾貨物量は順調に増加。現在、国土交通省博多港湾・空港整備事務所が大型船に対応できる航路の増深・拡幅事業を進めている。
 事業は航路水深を-10m(現行-7.3m)に、航路幅を72m(同50m)に拡幅し、「1万2000DWT級の貨物船が常時航行できるようにする」のが目的。工事は北防砂堤と南護岸の前に鋼管矢板を設置する法面補強工事と、鋼管矢板間の土砂浚渫からなる。
 このうち、若築建設が担当しているのは北防砂堤の法面補強工事の一部(延長486m)。直径900mm、長さ17.5〜19.5mの鋼管を450本打設する。「鋼管矢板は通常、打設後に計画高から上の部分を切断するが、ここではその作業を解消するため、ECOリアクションベースという装置を採用している」。
 ECOリアクションベースは本来切断するべき部分の鋼管矢板の代わりとなるもので、航路の干満差が5〜6mあっても圧入機が海水につかることなく自走でき、圧入時の反力としても使える。これにより作業効率のアップを目指す。昨年10月末から鋼管矢板の打設を開始。「新技術で心配もあったが、作業は順調」という。
 鋼管矢板の打設工事はすでに何度も経験済み。ただ、条件や場所が違えばこれまでの経験が必ず役立つとは限らない。「この仕事は毎日が勉強。今回は狭い航路での作業なので、安全確保に細心の注意を払っている」。地元関係者で構成する三池港工事連絡協議会などとの情報交換を密にし、安全確保策に神経を尖らせる。
 「工事は段取りがすべて。入船による作業船の待避、他工区との調整など、さまざまな状況を考慮し、慎重に作業工程を考えている」。“段取り八分”で、今年3月の工期内に着実に工事を終えるつもりだ。

[写真左]ECOリアクションベースの施工状況
[写真右]三池港の航路。水深を-10mに増深させ、航路幅も72mに拡幅する

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