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浅場で作業船入れず限られた場所から埋立資材搬入
沖縄の経済発展に重要な役割を果たす那覇空港に、2本目の滑走路を整備するプロジェクトが動き出す。滑走路1本では将来の航空需要に対応できないとして、これまで約10年にわたり、パブリック・インボルブメントにより沖縄県民等の意見も聞きながら調査・検討を重ねてきたが、滑走路増設の施設計画が固まり、9月19日に環境影響評価書を提出した。沖合での埋立工事が伴うことから公有水面の埋立免許や漁業補償の手続きを急ぎ、来年1月の着工を目指す。
 計画によると、現滑走路から1,310m沖合に、延長2,700m×幅60mの平行滑走路を整備する。埋立面積は約160ha。総事業費は約1980億円で、滑走路や連絡誘導路等の基本施設や航空保安施設を整備する。
工事の特徴は、浅場での埋立工事となる点だ。滑走路の北端および南端の2カ所だけが水深があり、ケーソン式護岸となるものの、大部分は緩傾斜護岸の浅場となるため、容易に作業船が近づくことができない。このため、水路を確保できそうな2カ所に仮設桟橋を設置。水深のあるケーソン式護岸や仮設桟橋から埋立資材を搬入する計画だ。埋立に使用する石材や土砂の総量は約1,200万m3
 施工にあたっては、環境への配慮も求められる。施工区域に生息する絶滅危惧種のクビレミドロやサンゴは移植しなければならない。地元との共生も大きなテーマとなり、埋立材は地元産を中心とするほか、地元建設業の活用も図る。完成予定は2019(平成31)年末で、工期は6年間。当初は7年間の工期が見込まれていたが、2本目の滑走路の早期完成を望む沖縄県の強い要望もあり、前倒しされた。ただ、施工区域は秋には台風の影響が予想される上、冬場は波浪が厳しく、作業が制限されかねない。いかに作業船の安全性を確保しつつ、工期内に工事を完成させるかは難しい課題だ。
発注者は、沖縄総合事務局開発建設部の那覇港湾・空港整備事務所。埋立、護岸工事を発注していく予定だが、最盛期には多くの工種が交錯すると予想されるため、同事務所の坂克人所長は「プロジェクト全体を適切にマネジメントする手段が必要だ」と話す。事務所として沖縄の各港湾事業も抱えているので、限りある職員数で対応するためには、発注者支援業務等の活用も含め、全体のマネジメントを最適化する仕組みを検討しているという。
 2本目の滑走路が完成すれば、航空機の発着回数は年間13.5万回から18.5万回へと拡大。慢性的な航空機遅延やトラブルに伴う滑走路閉鎖、深夜貨物便に伴う滑走路のメンテナンス時間の不足など、那覇空港が抱える課題を解消できる。着工に向け坂所長は、「那覇空港の2本目の滑走路は、地元沖縄の経済発展に不可欠であり、予定通りに工事を完成させ供用したい」と語る。特に安全と環境の問題に関しては、「しっかりと向き合いながら、工事を進めていく」考えだ。
那覇空港滑走路増設計画(限られた場所から埋立資材を搬入)

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