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今後3年間に積極的な事業推進を図る広島港直轄海岸保全施設整備事業
太田川のデルタ地帯に市街地が広がる広島。河川に挟まれた三角州に都市や住宅街があるため、ゼロメートル地帯が多く、台風に伴う高潮で度々侵水被害に見舞われている。一方、堤防などの海岸保全施設は昭和30〜50年代に整備されたものが大半で、老朽化も進む。今後発生が懸念される東海・東南海・南海などの大地震に対する備えは、十分だとは言い難い状況だ。
 「2004(平成16)年の台風16号の襲来時には、台風に伴う高潮で、市街地が大きな浸水被害を受けました。このため、翌年度の2005(平成17)年度から大がかりな高潮対策事業がスタートしました。上流部の河川事業と連携しながら当事務所が現在事業を進めています」(西村大司広島港湾・空港整備事務所所長)。
海岸事業は、中央西と中央東の2地区に分けて事業を実施。中央西は観音、江波、吉島の3地区、中央東は船越、矢野の2地区で構成される。事業区間延長は全地区合計で12.6km(護岸10.2km、堤防2.4km、陸閘1基)となる。このうち、中央西の観音地区(延長約1,4km)が昨年度に完成。現在、江波、吉島の2地区で事業が行われている。
 「高潮対策事業ということで進めていますが、海岸施設の老朽化対策、耐震化対策も同時に進めています。具体的な対策事業は、施設の老朽化度合いや地形、高潮の最大予想高などによって、築造する施設断面が異なります。すでに終了した観音地区では、既設の護岸の背後に高さ6.5mおよび7.5mのパラペットを新たに整備し、想定される最大高潮にも対応しています。江波地区では既存の護岸をできるだけ活用し、上部の打ち換えとかさ上げ、背後の補強などの工事を行っています。経済性なども考慮し、最適な断面を選択しています」(西村所長)。
 工事現場には住宅や工場などが隣接しているため、地元対策には最大限の配慮を行っている。また、護岸などを荷下ろしに利用している工場もあるため、地元調整は綿密に実施している。「企業活動に支障がないように地元との打ち合わせは念入りに行っています。護岸などは古い施設のため、基礎に〝松杭〟などが使われているところもあり、工事の際も振動や騒音の少ない建設機械を使うなど、地元の方々に迷惑がかからないよう心がけています」(西村所長)。
 2012(平成24)年度は19億円の予算を投入。江波、吉島の2地区の対策工事を急ピッチで進めている。「2013(平成25)年度からは中央東地区にも着手します。この事業は2015(平成27)年度までに完成させる予定ですので、今後3年間に積極的に事業を展開していく必要があります」(西村所長)。
高潮対策は国だけでなく、地元の広島県も補助区間で同様な整備を進めている。今後とも積極的に対策工事を進め、高潮や津波による被害を最小限に抑え、安全かつ安心な地域づくりを進める方針だ。
江波地区の施工後の様子 高潮対策事業の整備区間

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