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2009(平成21)年に始まった耐震強化工事では、長さ83mの長尺アンカーを、地中50mの定着層まで打設し、施工範囲は1,150mの連続バースにおよび、その数量は450本に達した。また、岸壁の背後地ではサンドコンパクション工法等による液状化対策を施した。新設工事と異なり、「もともとターミナル利用が活発なところのコンテナ物流機能を、如何に影響を与えず施工を実施するかが大きな課題。そのため工事、荷役車両が通行する施工箇所への配慮や関係機関との調整が大変だった」と、国土交通省近畿地方整備局神戸港湾事務所の中島靖所長。 利用者の埠頭会社や、港湾荷役業者、物流業者も建設業者と同様、安全確保に力を注ぐ。それだけに、中島所長は「工事中であっても当然に、いつも以上に、安全確保に気をつけた」という。 現時点では陸上部分の工事の大部分が完了し、水深16mに至る航路泊地の増深工事を引き続き実施している。増深工事によって発生する浚渫土砂は、神戸港の中心である神戸中央航路を横断して、六甲アイランド南地区に位置する土砂処分場に運搬している。神戸中央航路は神戸港のメーン航路であり、幅員500m、延長3,850m、年間約3万3,000隻の船舶が通航し、1日あたり約90隻の船舶が往来する。浚渫土砂処分のための作業船が航路を横断する際も、陸上工事と同様に十分な安全対策が必要となる。 2011年度から、耐震強化岸壁の後背地ともいえる荷さばき地が新たに直轄工事に追加され、耐震強化工事が本年度に予算化された。荷さばき地の面積は約15ha。岸壁(PCー15〜17)と一体的な機能を果たす施設として位置付けられ、岸壁とともに耐震強化が図られることになった。現在、現地のボーリング調査が終了し、今後対策工法の検討に入るところであり、耐震性能の向上はもちろんだが、利用者にできるだけ制限のかからない施工方法も求められている。 本格工事の着手は来年度以降を予定しており、荷さばき地の耐震性の向上により、国際物流機能の強化がより一層図られることになる。 |
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