title
title
title
Back Number
鋼板セルアークで大地震にも対応
 国土交通省は2010年8月に東京、川崎、横浜の3港を「京浜港」として、「阪神港」(大阪港、神戸港)とともに国際コンテナ戦略港湾に指定した。急成長中の近隣アジア諸港に対抗すべく、予算の集中投下先として選ばれた格好で、横浜港では南本牧地区コンテナターミナル整備、本牧地区コンテナターミナル再編整備、南本牧〜本牧線臨港道路整備、川崎港では東扇島〜水江町地区臨港道路整備と、大規模事業がめじろ押しだ。
 なかでも守屋正平所長が「目玉事業だ」と強調するのが、南本牧地区コンテナターミナル整備事業。水深20mの大水深・耐震強化岸壁「MC−3」を整備する計画で、守屋所長も「世界最大級であり、国内最大の水深」と、胸をはる。

南本牧ふ頭には既にMC−1、MC−2という二つの岸壁(水深はいずれも16m)があるが、コンテナ取扱量は年間100万TEUを超え、飽和状態にある。基幹航路を維持するためにも、より大型化するコンテナ貨物船の接岸が可能なMC−3の整備は急務な課題で、2007年度に着工。2012年度の完成を目指して工事が急ピッチで進む。
 現地水深は26〜27m。早期供用という至上命題のもと、大地震が起きた際も安定性に優れる鋼板セルアーク工法を採用して岸壁を整備している。直径24.5m、長さ32mの円筒状の鋼板セルを17本据え付け。各セルはアーチ状の鋼板でつなぎ、中詰めコンクリートなどを打設することで、強固な岸壁が低コストに短工期で整備できる。
 本牧ふ頭地区でもコンテナターミナルの再編整備事業が進行中。B突堤とC突堤の間を埋め立て、「BC−1」と「BC−2」という2つの連続した岸壁を整備する計画で、BC−1(水深16m、延長350m)が2010年度に供用を開始した。BC−2は既存施設の撤去作業などを終えてからの着手という予定だ。
 さらに、その隣のD突堤でも既存岸壁を増深中。水深11mの「D−1〜3」を「HD−1」として統合するとともに水深13mに、水深14mの「D−4」を水深15mの「HD−4」、同14mの「D−5」を同15mに「HD−5」へと機能強化を図っている。

MC−3を含め各岸壁の機能が強化され、取り扱いコンテナ貨物量が大幅に増加すると、陸上交通に影響を与えかねない。そこで南本牧と本牧の両地区を結ぶ臨港道路(延長約6.2km)の整備計画がある。南本牧側のI期区間(約2km)は設計中で、高架構造で計画されている。2011年度に着工するが、残るII期区間のスケジュールは未定。「港内のコンテナ貨物を輸送する専用道路的に使ってもらうことで、CO2の削減にもなる」(守屋所長)と期待している。
 同事務所ではこのほか、川崎港の東扇島と水江町地区をつなぐ臨港道路(総延長3.1km)が計画され、現在、京浜運河をまたぐ橋梁の設計作業が行われている。

[写真左]構造断面図[写真右]南本牧地区コンテナターミナル位置図(写真提供:国土交通省関東地方整備局 京浜港湾事務所)

Back Number