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徳島小松島港沖州(外)地区複合一貫輸送ターミナル整備事業がスタート
四国東部のほぼ中央に位置する徳島小松島港。紀伊水道に面し、対岸の大阪、和歌山など近畿経済圏とも近い上に、東京と北九州を結ぶフェリーが寄港するなど、徳島県の海上交通の要衝として古くから重要な役割を果たしてきた。今後30年以内に60〜70%の確率で発生するといわれる東南海・南海地震の際には大きな被害が想定されており、緊急物資や復旧資材などの海上輸送路確保のため、徳島小松島港の沖州(外)地区複合一貫輸送ターミナル整備事業が本年度スタートした。吉野川河口の南、新町川の河口北に位置する沖州(外)地区に新たな岸壁を整備しようというものだ。巨大地震が発生しても港湾機能を維持できる耐震強化岸壁として整備する計画で、「平常時には大型のフェリーが、大地震発生のような緊急時には緊急物資を運搬する公共船舶も利用できる」と、国土交通省四国地方整備局小松島港湾・空港整備事務所の山本幹夫副所長。貨物量の増加に伴うフェリーの大型化とともに、緊急時対応という必要性を強調する。

東京・北九州を結ぶフェリー貨物は満載に近い状態で、今後も増加が見込まれている。乗り切れない貨物自動車は翌日の便で移動している。二酸化炭素(CO2)排出量の少ない海上輸送は需要が高まっている上に、貨物量そのものの増加傾向が続き、船舶の大型化という潮流の中、沖州(外)地区の対岸にある現在の岸壁では総トン数が1万1500トンクラスまでのフェリーしか対応できない。山本副所長は、「一回り大きな船が利用するには水深が足りない」と、事業実施の背景の一つを説明する。計画では、新町川河口付近の沖州(外)地区南側を約2.1ha埋め立て、-8.5m、延長270mの岸壁を新設する。合わせて泊地も現在の-4mを-8.5mに、津田・沖州航路につながる航路・泊地も-7.5mを-8.5mに、ぞれぞれ増深する。岸壁背後の埠頭用地は、既存用地の一部と合わせると約2.7haが確保できる。このほか、将来的には防波堤を150m延長させる計画もある。山本副所長はこの計画の実現で、「総トン数1万5000トンクラスのフェリーが着岸できるようになる」という。東京、北九州とも既に同クラスのフェリー就航が可能状態であり、フェリー会社から見て船舶大型化のネック解消につながる事業といえよう。

輸送の効率化に加え、大地震発生時の輸送機能確保というのも大きな理由だ。徳島県地域防災計画で緊急輸送拠点港に位置づけられており、耐震強化岸壁として整備されることで、大地震発生時には関東や近畿、九州などからの緊急物資の海上輸送路が確保できる。大規模地震の発生は高い確率で予想されており、自然災害への備えは万全にしておきたいところだ。同事務所によると、現在までに設計に必要な調査が終了しており、10年度上半期中の設計作業完了を目指している。

[写真左]延長270mの耐震岸壁を新設する  写真提供:国土交通省四国地方整備局
[写真中]位置図 [写真右]埋立予定地

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