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提供:横浜市港湾局

【港湾概要】
【港湾面積】 7,284.7ha
【臨港地区】 2,863.8ha
(商港区1,012.8ha、工業港区1,697.2ha、
マリーナ港区4.2ha、修景厚生港区89.5ha、
区分指定なし60.1ha)
【バース数】 245バース(うち民間155バース、コンテナ19バース)
【荷役整備】 ガントリークレーン43基
 日本の貿易を支える横浜港は、国際コンテナ戦略港湾として今なお成長を続けている。コンテナ船の大型化に対応し大水深・高規格コンテナターミナルの整備を推進。後背圏と港のアクセスを強化するための道路整備も進む。観光や地域振興に目を向けると、港町・横浜の新名所として既存ふ頭を再開発しハーバーリゾートを誕生させる計画も進行中だ。経済活動の活性化とより豊かな市民生活の実現に向け、さまざまな取り組みが展開している横浜港を紹介する。
 
 横浜港は、江戸時代末期の1858(安政5)年7月に結ばれた日米修好通商条約などに基づき、1859(安政6)年7月1日に長崎、函館と共に世界に向けて開港された。開港前の横浜は小さな漁村で港湾施設がほとんどなく、外国からの船舶が停泊できる状態ではなかった。このため江戸幕府は開港に合わせて、現在の大さん橋ふ頭の付け根部分に当たる場所に、2カ所の波止場を整備。これが現在の横浜港につながる、初めての港湾施設だったといわれる。
 時代が江戸から明治に移り外国との貿易が拡大するのと歩調を合わせ、横浜港も近代化に向けた工事を数度にわたって実施。1923(大正12)年9月1日に発生した関東大震災によって港は壊滅的な被害を受けたが、関係者の努力によって昭和初期までに復旧。同時にふ頭整備も行われ、日本の表玄関としての機能を高めていった。
 第二次大戦を経て、1951(昭和26)年に管理者が国から横浜市に変更された後、戦後復興や高度経済成長を追い風に、横浜港は入港船舶数や取扱貨物量が急増。新たに策定した港湾計画に基づき機能強化のための事業が相次ぎ実施された。コンテナターミナルの整備が始まったのは1970年代初頭で、本牧ふ頭や大黒ふ頭が建設され、ガントリークレーンなどの荷役施設も整備。1991(平成3)年には南本牧ふ頭の建設が始まり、現在までに三つのコンテナターミナルが完成している。
 
南本牧ふ頭で2カ所目の水深−18m岸壁整備進む
 
南本牧ふ頭連絡臨港道路(仮称)が3月開通
 南本牧ふ頭では現在、全長400m級の大型コンテナ船が停泊可能な大水深・高規格コンテナターミナル「MC−4」の整備が行われている。耐震強化岸壁を備えるこの施設はすでに完成しているMC−3と同様に、国内で南本牧にしかない水深−18mでの整備を予定している。
 国の直轄事業として進む工事は岸壁部分を鋼板セル工法で構築。現在岸壁の本体工や地盤改良工などを実施している。大型船が数多く離着岸する既存コンテナターミナルの目の前で行う工事は「作業船とコンテナ船は約300mの距離を確保しなければならない」(国土交通省関東地方整備局京浜港湾事務所)制約があり、水深も約−30mと非常に深い。
 同事務所は施工性や経済性に優れた鋼板セル工法による施工を採用。海底に設置する鋼板セルは直径24.5m、高さ32mと、8階建てビルに相当する大きさだ。工事では海底の地盤改良をしながら鋼板セルを設置し、約500mの岸壁を構築。2017(平成29)年度中に岸壁を締め切り、その後埋立が開始される計画だ。供用開始の目標は、平成30年代前半。工事が完了するとMC−3・4は水深−18mの耐震強化岸壁が900m連続する、国内最大の大水深・高規格コンテナターミナルになる。
 港湾施設の整備では、岸壁や荷役スペースの建設だけでなく、後背圏とのアクセスをどう確保するかも重要な課題となる。南本牧ふ頭の機能を最大限に発揮するため、国と横浜市は南本牧ふ頭と本牧ふ頭、そして首都高速湾岸線を直接結ぶ「南本牧ふ頭連絡臨港道路(仮称)」の建設を急いでいる。
 Ⅰ期事業は延長2.5km、片側1車線の高架道路整備を京浜港湾事務所、延長1.2kmの首都高湾岸線出入口整備を横浜市が担当。南本牧ふ頭〜首都高湾岸線出入口は2017(平成29)年3月に開通する予定だ。供用されるとコンテナを積んだトレーラーは信号で一度も止まらず、南本牧ふ頭から首都高湾岸線にアクセスできるようになり、走行時間が7割程度短縮可能になるという。一般道路の渋滞緩和効果も期待できる。
 
 
横浜港の位置図
提供:横浜市港湾局
 
横浜港 南本牧ふ頭連絡臨港道路ルート図
提供:国交省関東地方整備局 京浜港湾事務所
 
大黒ふ頭改良で増加続ける完成車輸出に対応
 
大黒ふ頭の自動車貨物取扱機能を強化
 横浜港はコンテナ貨物の取り扱いだけでなく、完成自動車の輸出拠点としても重要な役割を果たしている。横浜ベイブリッジのたもとにある大黒ふ頭は2010(平成22)〜2014(平成26)年の5年間で輸出取扱台数が27%増加。自動車専用船の利用隻数も増加傾向にある。
 コンテナ船と同様に自動車専用船も大型化が進んでおり、岸壁の水深も−12mが必要なケースが増加。すでに6バースの岸壁を4バースで運用する状況にも陥っている。そこで国と横浜市は大黒ふ頭にあるT3・4岸壁とP3・4岸壁を改良する事業に着手。現在−7.5mと−10mの水深を−12mと−11mにし、岸壁を300m改良。岸壁後背の荷捌き地も整備して自動車の取扱機能を強化する。
 2016(平成28)年から工事に着手しており、2018(平成30)年度に一部供用、2020(平成32)年度に全体供用を計画。新しい岸壁は横浜ベイブリッジをくぐることができない超大型客船も停泊する予定で、船旅を楽しむインバウンド(訪日外国人旅行者)を迎える横浜の玄関口として、大切な役割も果たすことになる。
 
大黒ふ頭(黄色部分が改良エリア)
提供:横浜市港湾局
横浜港のシンボル「横浜ベイブリッジ」
提供:横浜市港湾局
 
山下ふ頭再開発で新たなにぎわい創出
 
山下ふ頭をハーバーリゾートに再開発
 山下公園や中華街に隣接する山下ふ頭では、横浜港の景観を生かしながら、港湾施設をハーバーリゾートに用途転換する計画が進行している。横浜市は2015(平成27)年9月、「山下ふ頭開発基本計画」を公表。約47haの敷地を活用し▽観光やMICE(国際的な会議、イベント等)を中心としたにぎわいの創出▽親水性豊かなウォーターフロントの創出▽環境に配慮したスマートエリアの創出の実現を目指している。
 2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を視野に、山下公園に隣接するエリア(13ha)の先行供用を計画。市は倉庫などの事業者、公共上屋使用者と移転交渉を実施しており、2016年12月末現在、5社と契約を結んでいる。市は環境現況調査やまちづくりガイドラインの策定など、関連する施策を進めている。
 このほか、横浜港では国際コンテナ戦略港湾としての競争力を強化するため、本牧ふ頭とつながる海域に「新本牧ふ頭」を整備する方向で、2014年12月に港湾計画を改訂した。大水深・高規格コンテナターミナル、高度な流通加工機能を備えたロジスティクス施設など、南本牧ふ頭に続く拠点としての整備を想定。市内の公共工事で発生する建設残土を受け入れる役割も担うとしている。
 また新港9号客船バースでは2018年度の供用開始を目指して岸壁の耐震改修工事を進めると共に、PPP(官民連携)による客船ターミナル施設整備にも取り組んでいく。
 
大さん橋
提供:横浜市港湾局
 
再開発が始動する山下ふ頭
提供:横浜市港湾局
 

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