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提供:鹿島港湾・空港整備事務所

【港湾概要】
【港湾面積】5,200ha
【臨港地区】2,494ha
【バース数】99バース(公共15バース、民間84バース)
【取扱貨物量】6,660万トン(2013年実績)
【コンテナ取扱量】2,696TEU(2013年実績)
 外洋に面し、茨城県の南東部に位置する鹿島港。耕作不適地だった砂丘地帯にY字型の掘込港湾を整備し、周辺の臨海工業地帯と一体的に整備された工業港だ。現在、臨海工業地帯には160社を超える企業の工場などが立地し、日本を代表する工業生産拠点となっている。2013(平成25)年の貨物取扱量は約6,660万トンで、このうち穀物類の貨物輸入取扱量は国内第1位の規模を誇る。2011(平成23)年には国際バルク戦略港湾(穀物)に国から選定され、さらなる発展が期待されている。
 
工業地帯と一体的に開発した世界有数の掘込港湾
 
臨海工業地帯には161社、179工場が進出
 鹿島港は鹿島灘に面する緩やかな海岸線に建設された人工港。もともとは広漠とした砂丘地帯で、農耕地としては不適とされていたが、茨城県が1960(昭和35)年、この地域を対象にした「鹿島灘沿岸地域総合開発の構想(試案)」を発表。港湾施設と臨海工業地帯を一体的に整備する計画を打ち出した。1963(昭和38)年には港湾計画が決定され、鹿島港の起工式が行われる。まず南防波堤の建設に着手し、1965(昭和40)年に中央航路の掘込みを開始。1969(昭和44)年には鹿島港が開港。臨海工業地帯では住友金属工業(現新日鐵住金)も操業を開始した。
 その後も港湾整備と臨港工業地帯の造成工事が行われ、1973(昭和48)年には造成事業が完了。Y字型の南側となる南航路も完成する。北側の北航路の掘込み工事は1999(平成11)年に開始され、2006(平成18)年にほぼ現在の形となる。外洋に面する外港地区も2013(平成25)年に供用を開始している。この間、臨海部の工業用地には企業が相次いで進出。鹿島臨海工業地帯に進出している企業数は現在、161社、179工場ある。高松地区には鉄鋼関連企業が立地し、神之池東部地区には石油化学コンビナート、神之池西部地区は化学コンビナートや飼料コンビナートが形成されている。このうち、石油化学コンビナートは計画的に企業が配置され、立地企業の合弁会社による石油化学原料や電力・蒸気の供給、共同施設・用地の管理が行われ、生産効率の向上などが進められている。
 この地域全体での就業者数は2万人を超える。製造品出荷額は約2兆円で、茨城県全体の約2割を占めている。
 
北公共ふ頭地区
提供:鹿島港湾・空港整備事務所
 
民間バースを補完し、物流の多様化を支える公共ふ頭
 
民間は84バース、−19m岸壁もある
 港湾施設のうち、公共ふ頭は「深芝公共ふ頭(3バース)」、「南公共ふ頭(8バース)」「北公共ふ頭(3バース)」「外港公共ふ頭(1バース)」の4地区があり、バース数は全部で15バースある。
 一方、岸壁を保有する民間企業(共同保有も含む)は23社あり、企業専用の民間バースは84バース。鉄鉱石船や原油タンカーなどの大型船も入港するため、民間バースの中には−19mの水深を備えた岸壁もある。
 公共ふ頭のうち、深芝公共ふ頭と南公共ふ頭は計画通りの岸壁がすべて整備されているが、北公共ふ頭や外港公共ふ頭はまだ岸壁の整備が一部残っている。コンテナを取り扱っている北公共ふ頭はすでに、−10m岸壁が3バースとガントリークレーン1基が整備されているが、岸壁整備が一部残されている。外港公共ふ頭の国際ターミナルは、工事中に東日本大震災が発生し、−14m岸壁を急きょ耐震強化岸壁として整備が行われた。−14m岸壁(延長280m)が2013(平成25)年4月に−13mで暫定供用されたが、こちらも部分的な供用開始にとどまっている。
 「鹿島港は工業港ですので、民間バースが多いのが特徴です。公共ふ頭はどちらかというと、民間バースを補う役割を担っています。このため、新設バースの計画自体はまだあるのですが、貨物取扱量の推移を見ながら段階的な整備を進めています」(茨城県土木部港湾課)。
 
鹿島港の位置図
提供:鹿島港湾・空港整備事務所
 
穀物取扱量は国内第1位、国際バルク戦略港湾に選定
 
穀物の安定供給に向け、機能強化
 鹿島港の年間貨物取扱量(2013年実績)は6,660万トンで、前年比1.2%増。2年連続して過去最高を記録している。内訳は外貿が4,698万トン(前年比2.9%増)、内貿が1,962万トン(2.8%減)。このうち、外貿は輸出が562万トン(16.8%増)、輸入が4,136万トン(1.3%増)で輸出入とも増加。輸入では原木やエネルギー関連、輸出では石油製品などが好調で、全体を押し上げている。
 輸入では穀物類の取扱量も多く、麦やトウモロコシ、米、豆類などの飼料関係が387万トン(2012年実績)もあり、国内第1位を誇る。2011(平成23)年には穀物の国際バルク戦略港湾に選定され、施策の実現に向け、国や港湾管理者などで協議が進められている。
 「鹿島港には穀物を輸入して配合飼料を生産する企業が15社あります。年間生産高は約400万トンもあり、港湾別でみると国内最大です。官民共同で穀物の安定供給を図る上で、企業の国際競争力の強化が不可欠です。このため、国際バルク戦略港湾の施策実現に向け、民間施設整備などに対する国の一層の支援をお願いしているところです(茨城県土木部港湾課)。
 一方、コンテナ取扱量(2013年実績)は2,696TEUで、前年に比べ28.7%減。すべて内貿での取り扱いで、内訳は移出が1,352TEU(24.2%減)、移入が1,344TEU(24.4%減)となる。「コンテナは東日本大震災以降、取り扱いが伸びていません。韓国との外航定期コンテナ航路は、震災以降休止状態が続いています。定期航路を復活させ、コンテナ取扱量も増やしていきたい」(茨城県土木部港湾課)。
 
総取扱貨物量の推移 取扱貨物の品目別の内訳
 
外港地区の静穏度を保つため、防波堤(南)を急ピッチで整備
事業の進捗状況
提供:鹿島港湾・空港整備事務所
 鹿島港では現在、外港地区国際物流ターミナル整備事業として防波堤(南)の整備が急ピッチで進められている。2013(平成25)年に暫定供用された外港地区の−14m岸壁の静穏度を保つため、防波堤(南)の延伸工事が行われている。「外港地区−14m岸壁は、2011年3月の東日本大震災の被害を受け、急きょ耐震強化岸壁として整備しました。泊地の水深の関係で現在は−13m(延長280m)の暫定供用中ですが、防波堤(南)が整備途中で外洋から進入してくる波の影響を受けやすい状態のため、防波堤(南)の整備促進を図っているところです」(国土交通省関東地方整備局の立花祐二鹿島港湾・空港整備事務所副所長)。防波堤(南)は計画延長4,800mのうち、2014(平成26)年度末で4,030mが完成済み。これまで年間30m(延長約15mのケーソン×2函)程度を延伸していたが、2014(平成26)年度からケーソンの据付函数を増加。さらに2015(平成27)年度からはケーソン1個当たりの大きさも拡大し、工事をスピードアップさせる。
 「2014(平成26)年度は延長15mのケーソンを4函据え付けました。2015(平成27)年度からはケーソン1函あたりの延長を25mに拡大し、整備延長を伸ばす計画です」(立花祐二副所長)。すでに延長25mのケーソン4函の製作と据付工事を2014(平成26)年度に発注済み。2015(平成27)年度には新たなケーソン(延長25m)の据付、製作の工事発注を計画している。
 「25mケーソンの重量は4,800トンあります。鹿島港は海象条件が厳しいので、据付時期は比較的海が穏やかな6〜8月になる見通しです。東日本の復興期間にできるだけ工事を進めたいと考えています」(立花祐二副所長)。同工事以外でも,防波堤(中央)の長周期波対策施設整備や航路・泊地の浚渫工事なども実施する計画だ。
 
日本初の大規模洋上風力発電施設の建設
 
再生可能エネルギー事業を支援
 鹿島港は、鉄鋼や化学、食料品、金属製品、木材・木材製品、石油・石炭製品、窯業・土石製品など数多くの企業が臨海部に立地し、国内では有数の臨海工業地帯を形成している。
 「鹿島港の場合、臨海部にすでに多くの企業が立地しています。その企業ニーズが変化していく中で、港湾の役割も時代のニーズに見合ったものでなければならないと考えています」(茨城県土木部港湾課)。
 現在、鹿島港内で再生可能エネルギー導入に向けた取り組みも進めている。この地域は風況が良く、電力網が充実し系統連系の条件も良いことから、海岸沿いに約50基の風力発電用の風車がすでに設置されている。県では海域の水深が浅く自然条件も優れていることから、洋上風力発電事業も計画。2012(平成24)年には港湾計画の一部を変更して、全国で初めて海上に『再生可能エネルギー源を利活用する区域』を設定した。
 「2012(平成24)年8月に事業予定者を選定し、事業実施に向けた取り組みが進んでおり、事業者に対して水域の占用許可を出したところです。県内には大型風力発電システムを製品化している日立製作所などの関連企業もあります。こうした企業の力を結集し、日本初の大規模洋上風力発電事業が順調に進むよう県も支援していきたいと思っています」(茨城県土木部港湾課)。
 洋上風力発電事業は2015(平成27)年から段階的に施設整備が行われ、2017(平成29)年からの発電が計画されている。
 
南公共ふ頭地区
提供:茨城県
 
2017年度に洋上風力の発電開始
 鹿島港洋上風力発電事業は,2012(平成24)年度の事業予定者選定以降、(株)ウィンド・パワー・エナジーと丸紅(株)の2者が現地調査や事業実施計画の策定を進めてきたが、このたび(株)ウィンド・パワー・エナジーが事業実施計画の策定を終え、事業者として風力発電機を設置する水域の占用許可を取得した。
 発電は2017(平成29)年度に一部開始する計画だ。
鹿島港洋上風力発電事業の取り組みと事業計画概要
2012年
5月 茨城県地方港湾審議会で鹿島港港湾計画の一部変更を行い、港湾区域内に「再生可能エネルギー源を活用する区域(約680ha)を位置付け
6月 事業予定者公募要項の配布開始
8月 事業予定者として(株)ウインド・パワー・エナジー(北側約340ha)と丸紅(株)(南側約340ha)を選定
2013年
2月 鹿島港洋上風力発電推進協議会(関係行政機関や地元市の神栖市、鹿嶋市で構成し、事業に関する指導、助言を実施。これまでに5回の会合を開催)
2015年
2月 (株)ウィンド・パワー・エナジーが事業実施計画書を策定の上、県と事業実施に向けた協定を締結。風力発電機を設置する水域の占用許可を取得
事業計画
設置発電機 全体で50基(各25基ずつ)
5MW/基 総出力
設置基数 全体250MW(各125MWずつ)
 

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