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舞鶴港東港 提供:舞鶴港湾事務所

【港湾概要】
【バース数】30バース
【入港船舶】4,278隻 (2011年)
【取扱貨物量】1,093万t(2011年)
【コンテナ取扱量】8,441TEU(2011年)
 天然の良港として、古くから交通の要衝として栄えてきた舞鶴港。軍港のイメージが強いが、2010(平成22)年には和田地区に国際ふ頭が供用を開始し、翌2011(平成23)年には日本海側拠点港の「国際コンテナ」「国際フェリー・国際RORO船」「外航クルーズ」の港に選定されるなど、商業・観光の拠点としての機能強化が期待されている。周辺の高速道路網の整備も急ピッチで進められており、「関西圏唯一の日本海側ゲートウェイ」を目指した取り組みが加速している。
 
静穏度が高く、自然の良港として栄える
 舞鶴港は、本州日本海側のほぼ中央に位置する。舞鶴湾の中はほぼ全域が港湾区域で、入り組んだリアス式海岸が広がる。湾型が鶴の翼を広げたような格好に見えることから、その名が付いたとも言われる。港内の平均水深は約20m、湾口幅は700mで、日本海特有の荒波を受けることはなく、年間平均波高約30cm以下と極めて高い静穏度を誇っている。「台風時などは多くの船舶が港内に避難してくる」(京都府建設交通部港湾課の山口睦雅副課長)場所でもある。
 港は大きく西港と東港に分かれる。西港は古くから交通の要衝として栄え、江戸時代には北前船の寄港地として賑わった。明治時代に入ると、大陸との貿易が盛んになり、満州や朝鮮などに複数の航路を持ち、取扱貨物量が60数万トンにも及んだ。1913(大正2)年には第1ふ頭が修築され、近代港湾として整備が進んだ。
 一方、東港は1901(明治34)年に舞鶴鎮守府が置かれ、軍港として発展する。戦時中は西港も含め港全体が軍港となり、軍の管理下に置かれたこともあった。終戦後は、13年間にわたって大陸からの引き揚げ者の港として、重要な役割を果たしてきた。「岸壁の母」の舞台となったことは有名だ。
 
2010年4月に舞鶴国際ふ頭が供用を開始
 戦後の1951(昭和26)年に重要港湾に指定された。京都府が港湾管理者となり、1959(昭和34)年には港湾計画が策定された。港湾計画では西港地区が外貿、東港地区が内貿の拠点に位置付けられた。その計画に沿って、港湾整備が相次いで行われ、1968(昭和43)年には西港の第4ふ頭が、1975(昭和50)年には同じく西港の第3ふ頭が、1979(昭和54)年には大君ドルフィンがそれぞれ完成し、ロシアからの原木輸入などが急増した。
 昭和から平成の時代にかけて、西港では第2ふ頭の再整備や喜多ふ頭の整備が開始され、東港では国内フェリーが利用するふ頭としての前島ふ頭の整備が行われた。これにより、フェリーによる貨物の取扱量も増加した。
 2010(平成22)年4月には、船舶の大型化や国際物流の効率化など目指して整備が進められていた「舞鶴国際ふ頭(通称・みずなぎふ頭)」が供用を開始。水深14m、延長280mの岸壁1バースとガントリークレーンを有した多目的ターミナルの運用がスタートし、国際コンテナの拠点としても、着実に取扱量を増やしつつある。
 また、舞鶴港の大きな特徴の一つとして、主要な海事機関が揃っていることが挙げられる。東港には海上自衛隊舞鶴地方総監部が専用岸壁などの施設を保有しているほか、西港には第八管区海上保安本部や舞鶴海洋気象台が立地している。
 
   
提供:舞鶴港湾事務所
舞鶴港の位置
総取扱貨物量の推移 コンテナ取扱貨物量の推移
貨物取扱量が二年連続で1000万トンを突破
フェリー貨物、コンテナとも順調に増加
 舞鶴港は、韓国の釜山港までの距離が615km、中国の大連港までが1,590km、ロシアのナホトカ港までが840kmという地の利を生かし、現在も大陸との定期便を就航させている。韓国の釜山、中国の天津・大連・青島・上海との定期コンテナ航路は各週1便、「ロシアのナホトカとは不定期だが、月に2便程度の往来がある。ロシアは中古車の輸出が中心となっている」(山口副課長)。国内では北海道・小樽港との直通フェリー(新日本海フェリー)が毎日運航している。
 「取扱貨物量は2011(平成23)年度で外貿が430万トン、内貿が663万トンで合計1,093万トンで、2年連続して1,000万トンを突破しました。貿易額は976億円。関西電力舞鶴火力発電所の石炭の輸入が大幅に増えたのが主因ですが、内航フェリーによる食料品などの貨物も順調に伸びています」(山口副課長)。小樽港からの内航フェリーでは主にジャガイモやニンジンなどの野菜、乳製品、水産品などが移入され、雑貨日用品などが移出されている。
 外貿コンテナの取扱量は、2011(平成23)年で8,441TEU(20フィートコンテナ換算)とまだ全体量は少ないが、2009(平成21)年のリーマンショック前の水準を上回ってきており、「国際ふ頭を活用し、ポートセールスなどを通じてコンテナ取扱量をさらに増やしていく」(山口副課長)方針だ。
高速道路網の整備で人とモノの流れが変わる
2年後には港湾へのアクセスが大幅に向上
 港湾施設へのアクセス整備も進みつつある。京都市内と宮津市を結ぶ京都縦貫自動車道(延長約100km)は、沓掛インターチェンジ(IC)〜名神高速道路大山崎ジャンクション(JCT)間が2013(平成25)年3月に開通し、丹波IC〜京丹波わちIC間も2014(平成26)年度中には開通する予定だ。これにより、舞鶴西ICから京都市内までのアクセスが35分程度短縮され、大幅に向上する。
 一方、兵庫県三木市の吉川JCT〜福井県敦賀市の敦賀JCT間を結ぶ延長約160kmの舞鶴若狭自動車道(近畿自動車道敦賀線)のうち、小浜IC〜敦賀JCT間も2014(平成26)年度中に開通を予定。これまで舞鶴西IC〜敦賀JCT間は100分程度かかっていたが、これが30分程度短縮され、約70分で通行できるようになる。
 「大動脈である名神高速道路と結ばれること、京都を中心とした〝畿北ループ道〟が完成することで、舞鶴港のアクセスは格段によくなります。圏域への物流機能の向上や観光ルートが新たに出来るため、人とモノの流れが変わり、舞鶴港の利用が促進されることを期待しています。また、阪神港とのリダンダンシー機能も期待できる」(山口副課長)。
 
整備が進む臨港道路と前島地区の増深工事
 高速道路網の整備に併せ、舞鶴港周辺の臨港道路の整備も進んでいる。西港和田地区の国際ふ頭の供用開始に併せ、臨港道路和田下福井線(延長約4,650m)の一部約2,000m(うちトンネル区間1,260mは直轄で施工)が供用を開始した。残る高野川をまたぐ橋梁部分の整備を現在京都府が進めている。
 一方、近畿地方整備局舞鶴港湾事務所は、臨港道路和田下福井線と国道27号を結ぶ臨港道路上安久(かみあぐ)線の整備を進めている。同事務所の片岡輝行工務課長は「現在地元説明などを進めています。この道路の先は国道27号のバイパスとなる西舞鶴道路が計画されており、福知山河川国道事務所が整備を担当しています。この臨港道路上安久線と西舞鶴道路ができれば、西舞鶴ICと舞鶴港との利便性が向上し、港へのアクセスがもう一段よくなります」(片岡課長)。
 港湾関係では東港の前島地区の岸壁の増深工事などが行われている。小樽港に向かうフェリーが新造され、大型化されたことに伴い、岸壁と泊地を水深9m(現ー8m)に増深する工事が進められている。
 「2007(平成19)年度に事業化し、岸壁のー9m化は昨年度に終了しました。泊地の浚渫は発生土量が10数万m3にも及ぶため、現在その土捨て場の確保に向け、和田地区の国際ふ頭の2期地区予定地に潜堤を構築する工事を進めています。潜堤で囲いをつくり、早ければ2014(平成26)年度ころから浚渫土を処分する計画です」(片岡課長)。
 
   
提供:舞鶴港湾事務所
西港和田地区の国際ふ頭置
提供:舞鶴港湾事務所
東港前島地区置
提供:京都府
京都舞鶴港を取り巻く高速道路網
長期計画に沿って、港湾計画の改訂作業進む
「京都舞鶴港」の飛躍の年になる
 港湾管理者である京都府は昨年3月、舞鶴港の今後の方向性を示した長期計画「はばたくみなとまいづる恵みプラン」を作成した。この中で目指すべき姿として「日・中・韓・露等の人・もの・情報が交流する関西経済圏の日本海側ゲートウェイ」を掲げ、「物流・人流」「観光・交流」「連携」「地域振興」「安全・安心」「環境」の6つのキーワードをもとに、多様な振興策を進める方針を打ち出している。
 また、京都の港というイメージを強調するため、「京都舞鶴港」という名称を使うようにしている。この長期計画に沿って、現在港湾計画の改訂作業も進められている。今年は西港の第一ふ頭築港から100年を迎える。これを契機に「京都舞鶴港」がさらに飛躍することを期待したい。
 
環日本海側クルーズを進め観光客を呼び込む
3つの輸送モードで日本海側拠点港に選定
 舞鶴港は、国土交通省の日本海側拠点港の「国際海上コンテナ」「国際フェリー・国際RORO船」「外航クルーズ」の3つの輸送モードで選定された。
 このうち、国際海上コンテナでは新規航路の開拓と、既存航路の増便への対応を強化している。昨年6月にはロシア航路の本格的な再開に向け、トライアル輸送を開始し、今後中国航路週4便(現1便)、韓国航路週2便(現1便)、ロシア航路週1便(現不定期)の計7便の就航を目指す。
 国際フェリー・国際RORO船では、内航フェリーと連絡したユニットロードの積み替え基地の形成を進めるとともに、「航空機より安く、コンテナより早い」をスローガンにニッチな貨物の取り扱いなどを強化する。定期航路の開設に向けて、昨年7月には韓国航路の試験運航も実施。今後、中国(太倉)と週4便、韓国(浦項)と週1便の航路開設を目指す。
 外航クルーズでは、小樽港と伏木富山港の2港と連携して、環日本海クルーズの振興を進める。昨年4月には3港が連携してクルーズ船誘致を行うため、「環日本海クルーズ推進協議会」を設立。今年5月には舞鶴港では最大となるサン・プリンセス号が寄港することが決まっている。また、クルーズ船の寄港にあわせ、「今後、京都市内観光などの新しい企画を立案していく方針で、年14回のクルーズ船の寄港を目指す」(京都府建設交通部港湾課の山口睦雅副課長)。
提供:京都府
環日本海外航クルーズ構想
提供:舞鶴港湾事務所
クルーズ船が寄港
 

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