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水島港 玉島地区  提供:岡山県

【港湾概要】
【港湾区域】約8,211ha
【臨港地区面積】約2,571ha
【バース数】公共44バース、民間111バース
【入港船舶】4万隻(2010年実績)
【総トン数】8,769万t(2010年実績)
【取扱貨物量】8,908万t(2010年実績)
【貿 易 額】2兆2,412億円(2010年実績)
 自然災害の少ない穏やかな瀬戸内海に面する水島港。わが国経済を支える臨海工業地帯と、100万人以上の大規模な都市圏を背後地に抱える地の利をいかして、発展し続ける。
 海外の港湾との競争力強化を目的とした国土交通省による国際バルク戦略港湾には、穀物と鉄鉱石という2品目で選定された。
 取扱貨物量は、リーマン・ショック直後の2009年を除いて、ほぼ一貫して増加している。順調に増大する取扱貨物量に対応するためには、港湾機能の拡充が喫緊の課題となっている。
二つの顔を持つ水島港 トップクラスの港湾取扱貨物量
 水島港は、高梁川の河口部に位置し、東側に水島臨海工業地帯の海の玄関である水島地区と、西側に旧玉島港を中心に商港としての整備が行われている玉島地区の大きく2つの地区で構成されている。
 開港は1962(昭和37)年だが、歴史は約400年前の干拓に始まる。高梁川河口部一帯は遠浅の海域のため、河川堤防の延長と農地の造成が続けられ、第二次世界大戦前にはすでに1万数千haの土地が形成されていた。その後、この干拓地に接して、海面を埋め立てて大規模な工業用地を造成する工事と並行して、瀬戸内海航路に通ずる新しい港として建設事業が進められた。
 近世、備中松山藩の外港として栄えた旧玉島港に対して、水島地区は、1941(昭和16)年の航空機工場の用地造成に始まり、以後、昭和30年代にかけて工業用地造成と航路・泊地浚渫などの港湾整備が進んだ。石油化学、石油精製、鉄鋼、自動車、食品など多種多様な大工場が立地する今日の工業地帯の玄関としての基礎が築かれた。
 1960(昭和35)年には水島港に旧玉島港が併合。港湾法に基づく「重要港湾」に指定された。台風や高潮といった自然災害の少ない穏やかな瀬戸内海に面している上、原材料の大量輸送が可能という臨海工業地帯としての好条件を背景に、水島工業地帯とともに発展。100万人を超える背後地の都市圏人口もあって、港湾取扱貨物量は全国でも上位にランクされるなど、わが国屈指の貿易港に成長している。2001(平成13)年にはFAZ(輸入促進地域)に指定され、2003(平成15)年には、特定重要港湾に昇格。2011(平成23)年の港湾法改正に伴い、現在は、国際拠点港湾に位置づけられている。

 
水島港位置図 水島港 国際コンテナターミナル
水島地区コンビナート企業の専用バースが集中 陸上交通ネットワークに近接
 水島地区には水島コンビナート企業のプライベートバースが集中する。自動車や鉄鋼、化学、石油メーカーなどのさまざまな巨大企業の生産拠点が立地している。穀物(トウモロコシ、豆類の合計)の輸入量は全国で第2位であり、これらを原材料に飼料や食用油を生産。二次加工品は、水島港に隣接する高速道路ネットワークを通じて中国・四国・近畿西部方面に供給されている。
 2011(平成23)年5月には国土交通省から「国際バルク戦略港湾」に、穀物(大豆、トウモロコシ)と鉄鉱石の2品目で選定された。穀物を取り扱っているメインの水島航路は水深17m以深、それに続く水島港内航路も水深16m以深あり、潮汐を利用すれば、現在でもポストパナマックス船の航行は可能だ。
 2015年ころまでにパナマックス(パナマ運河を通過できる船の大きさ)船満載への対応を予定しており、水島航路が続くもう一方の水島東航路を水深12mから14mに増深するとともに、パナマックス船を接岸させるためにサイロのある穀物取扱企業2社の専用バース泊地を現行の水深12mから14mへ増深することが当面の整備目標となっている。この際の浚渫土量は、水島東航路で65万m3、泊地で50万m3と試算している。
 その次のポストパナマックス船への対応は、2020年ころまでを視野に入れている。
 水島港内で喫水調整する「1港2バース寄り」となる予定で、ポストパナマックス船が主流となる2020年ころには水島港をファーストポートとし、全国に15あるセカンドポートや、内航フィーダー輸送の22港湾に寄港する姿を描く。港内および港湾間の連携を進めることで、共同配船による輸送コスト削減を目指す。

 
提供:岡山県
水島地区
提供:岡山県
水島港国際コンテナターミナル
玉島地区公共バース中心の物流機能 増大する取扱貨物量に対応
 公共岸壁中心の玉島地区は、高梁川の対岸に位置する。公共港湾施設が集積する物流拠点であり、1995(平成7)年には外貿定期コンテナ航路が就航。外貿コンテナ取扱量は2010(平成22)年に過去最高の11万906TEU(20フィートコンテナ換算)を記録するなど増加傾向にあり、玉島地区内の機能強化が求められている。
 また、水島と玉島の両地区を結ぶ幹線道路の整備も課題の一つ。現状では両地区を行き来するには水玉ブリッジラインや霞橋など大きく北に迂回して高梁川を渡らなければならない。このため、水玉ブリッジラインは慢性的に道路渋滞が発生していることから、港湾内物流のロス解消を目的に「新高梁川橋梁」が計画された。2車線の車道と自転車歩行者道のある全長2,564m、幅員11.5mの橋梁で、国の直轄事業として2008(平成20)年に事業がスタートした。
 そもそも玉島地区では1994(平成6)年に玉島人工島「玉島ハーバーアイランド」が誕生した。それ以後は急激に成長・発展。内貿ユニットロードターミナルの「4号埠頭」(水深7.5m岸壁、3バース)や外内貿コンテナターミナルの「6号埠頭」(水深10m岸壁、2バース)などがあり、2002(平成14)年3月には「水島港国際コンテナターミナル」が供用を開始した。現在、水深10m岸壁を2バース(延長340m)備え、その南側に水深12mの耐震強化岸壁(延長240m)を整備する工事も進んでいる。
 2008(平成20)年度からは、さらに南側に拡張する新たな浚渫土処理護岸工事も始まった。航路整備で発生する土砂の処理に利用したあと、工業用地や緑地などに利用する埋め立て地(約46ha)を造成する計画だ。
 そのほか、4号埠頭を利用する自動車運搬船の利用増加に伴い、玉島ハーバーアイランドの西側にある玉島西航路を拡幅する計画もある。1993(平成5)年に供用の始まった比較的新しい航路だが、水深7.5m、幅員150mと、近年の船舶の大型化には対応しづらくなっているためだ。幅員を250mに拡幅することで大型船舶の出入港をスムーズにする狙いで、関係者の了解を得て浚渫工事をスタートさせる。

 
4号埠頭岸壁 水島港コンテナ貨物量の推移
2品目で「国際バルク戦略港湾」に 福山港と一体で〜鉄鉱石
 水島港は、2011(平成23)年5月の「国際バルク戦略港湾」に国内で唯一、穀物と鉄鉱石の2品目で選定された。このうち鉄鉱石に関しては隣接する福山港(広島県)との共同提案で、製鉄所が立地する拠点性をいかした物流体系の確立を狙う。
 水島港に位置していた旧川崎製鉄と、福山港に位置していた旧日本鋼管がJFEスチールとして経営統合したことで、JFEスチール西日本製鉄所が両港にまたがっている格好。国土交通省への提案では、鉄鉱石を満載した「瀬戸内マックス船」(必要水深20m、全長300m程度、積載量約20万t)が福山港に入港・荷下ろし後、水島港に入港する「二港寄り」による共同調達・輸送でのコスト削減を目指している。
 福山港本航路を水深16mから18mに増深するが、そこで喫水調整した船舶が水島港に寄るため、水島港側では現行の水深16mを維持する計画だ。


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