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品川ふ頭(東京)のコンテナターミナル[写真提供:東京都港湾局]

コンテナの種類
 一般的な「ドライ・コンテナ」は、箱型トラックの荷台のような細長い箱で、床以外には内張りがない。「ハイ・キューブ・コンテナ」は、高さ9フィート6インチと、通常のコンテナよりも高いコンテナで、別名「背高コンテナ」、「クンロク」とも呼ばれる。生鮮食品や冷凍食材など定温輸送に用いられるのは、+20℃〜−25℃程度の冷却・保温が可能な「リーファー・コンテナ」。そのほか、日本国内の鉄道貨物独自の仕様である「エンジン付き冷凍コンテナ」や、「ハンガー・コンテナ」、「タンク・コンテナ」など、用途や種類によって多様なコンテナがある。
自動車輸送用の
カーラックコンテナ
20世紀の物流を変えた「コンテナ」
 コンテナは、貨物輸送に用いられる規格化された箱であり、内部に輸送物を積み込み、船舶や航空機、鉄道やトラックなどで輸送される。基本的には直方体の箱型となっており、船、鉄道、トレーラーなどでの一貫した運搬が可能になる。つまりコンテナとそれに関わる物が規格化されていることで、工場で荷物を積み込んだコンテナをそのままトレーラーで港や駅に運び、そこから船舶や鉄道に積み替えて輸送。さらに目的地の港や駅などで再びトレーラーに積み替え店舗や倉庫などに配送することができる。
 コンテナを利用することにより、輸送の時間や費用が抑えられるほか、コンテナは長期間の使用が可能で、貨物の梱包が簡略化できる。また、積み重ねることで保管場所を節約、貨物を入れたまま保管できるなど、さまざまなメリットが生まれた。
 さらにコンテナの登場は、港湾施設にも大きな変化をもたらした。コンテナ積み降ろし用のガントリークレーンを設置した岸壁が世界中に普及。これにより、かつては大勢の港湾労働者と補助的なクレーンにより数日かけておこなわれていた貨物の積み降ろしが、わずか1日で完了できるようになったのである。

1人のアイデアがコンテナを産んだ
 このように、物流においてたいへんメリットの大きなコンテナだが、その歴史は意外に新しい。船舶用のコンテナを発明したのは、アメリカ人であるマルコム・マクリーンと言われている。ニュージャージーのトラック運転手であったマクリーンは、1930年代に現代のコンテナ輸送のさきがけとなるアイデアを考え出した。当時、貨物船の荷役は基本的に陸仲士や沖仲士と呼ばれる港湾労働者たちによる人力が主であり、クレーンなどは補助的にしか使われていなかった。このため港に到着しても、荷役を待つ船の数が多く、たいへん効率の悪いものであった。また船舶や倉庫などからの「荷抜き」の頻発も深刻な問題であった。
 トラック運転手であったマクリーンは、こうした荷役の現状に接する中で、「トラックごと船に積み、目的地の港でトラックを下ろして、そのまま輸送することができないか?」と考えていた。そして1950年代後半、陸運会社を経営していたマクリーンは、中古の貨物船を購入して、このアイデアを実現させた。トレーラーをそのまま、船倉に乗り入れさせる貨物船である。しかし、これではトレーラーの運転席の分だけ無駄なスペースとなってしまう。そこでマクリーンは、トレーラーの運転席や車台と荷物を積み込む部分を分離させ、その分離した荷物を積む部分を「コンテナ」として規格化したのである。
 こうして海上輸送のコンテナ化により、船に積んだコンテナを目的地の港で下ろし、規格化された車台のトレーラーで運ぶ、海陸一貫輸送が実現。2000年以降は、全世界の1年間の船舶輸送のうち、9割以上がコンテナ化されており、輸送に用いられるコンテナの数は2億個以上と言われる。

標準化対応という日本の課題
 コンテナ輸送の最大のポイントは、コンテナとそれを輸送するトレーラーの車台等の「規格化」である。
 現在、世界で最も一般的な貨物コンテナは、その大きさなどの規格がISOによって統一され、「国際海上貨物用コンテナ(Shipping containersまたはIsotainers)と呼ばれている。長さは主に20フィートと40フィートの2種類。幅は8フィート、高さは8フィート6インチとなり、高さが9フィート6インチのハイ・キューブ・コンテナも普及している。
 一方で日本国内では、道路上の輸送事情や輸送単位などにより、旧国鉄時代から採用している鉄道輸送用・日本独自規格の12フィートコンテナが、コンテナ輸送の主流となってきた。しかし近年、グローバル化の影響もあり、多くの運輸関係企業でISO規格コンテナに合わせたトレーラーや貨車の車台への転換が迫られた。同様に異なった大きさが多種混在していた貨物用パレットも、ISO規格コンテナに合うサイズが国際的なスタンダードになっており、国内の独自規格が中心であった日本の運輸業界では、こうした国際標準への転換が大きな課題となっている。

[写真左]2006年、横浜港に入港した世界最大のコンテナ船「エマ・マースク」(11,000TEU※ 17万794総t/デンマーク)
【写真提供:(財)横浜港埠頭公社】※TEU 20フィートコンテナ1個の大きさを基準として、何個まで積載できるかを表す単位
[写真右]ドライコンテナの内部

コンテナターミナルの役割
 コンテナの海上輸送と陸上輸送のつなぎ目となる港湾施設は、コンテナターミナル(コンテナふ頭)と呼ばれる。国際的なグローバル化の中で、製造業の国際水平分業を支える海陸一貫のコンテナ輸送では、そのつなぎ目となるコンテナターミナルの重要性は非常に高く、港湾におけるコンテナの取り扱い個数と国別の総計個数は、それぞれの国力を測る指標の1つにもなっている。
 コンテナターミナルは、コンテナ船が接岸し、コンテナを積み卸しする専用の岸壁を有し、コンテナヤードやターミナルゲート、コンテナフレートステーションなど、コンテナを運搬し、また保管する施設、さらにガントリークレーンやトランスファークレーン、ストラドルキャリアなど、荷役用可動施設で構成される。さらにコンテナターミナルは、コンテナの積卸作業のみではなく、一時的な保管、国際貨物の輸出入の際の、保税地域としての役割も果たしている。
 今後、国際的な物流の発展と効率化により、コンテナ輸送のさらなる増加が見込まれており、これに対応したコンテナターミナルの整備・拡充が大きな課題になっている。
[左]鉄道と連携する大井ふ頭(東京)のコンテナターミナル【写真提供:東京都港湾局】[右]海上輸送対応の鉄道コンテナ【写真提供:東京都港湾局】

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