富士山の絶景と羽衣伝説 |
清水港の三保地区の太平洋側は、この界隈ではもっとも著名なエリアだろう。白砂青松の美しい松林がつづく約7kmの海岸、そこから駿河湾を挟んで富士山や伊豆半島を望む眺望は、まさに絶景。この「三保の松原」は平安の昔から景勝地として知られ、現在は日本新三景、日本三大松原のひとつに数えられる。
浜に伝えられる「羽衣伝説」をご存知の方も多いだろう。この地に住んでいた漁師が、松の枝に美しい衣がかかっているのを見つける。持ち帰ろうとすると天女が現れ「それは天人の羽衣。どうぞお返しください」と言う。ところが、それを聞いた漁師は喜んで「これは国の宝にしよう」と返す気配を見せない。天女は、それがないと自分は天に帰ることができないと泣き始めた。漁師は天上の舞いを見せてもらえば衣を返すと申し出る。天女は羽衣を身にまとい月世界の舞いを披露した。ひとしきりの舞いのあと、天女は天高くのぼって行った。十五夜の月明かりが美しい宵のことであった。 |
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三保の松原にほど近い御穂神社には天女がまとったとされる「伝説の羽衣」が保存されている |
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三保の松原に憧れながら訪れることなく他界したバレリーナ、エレーヌ・ジュグラリスのために建立された「羽衣の碑」 |
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樹齢650年の羽衣の松 |
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