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訪れたくなる、いつまでも住みつづけたくなるみなとまち |
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[写真左]沖ノ島は、陸上に240種あまりの植物、海中には20種以上の珊瑚を見ることができる [写真中左]マンボウウォッチングも館山湾の人気イベント [写真中右]NPO法人「たてやま・海の鑑定団」が主催するシーカヤック体験 [写真右]珊瑚の海でスキューバダイビングが楽しめる |
市民と行政のパートナーシップ | ||||
館山のまちづくりに貫かれた、ありのままの海を守り、活かそうとする視点は、観光拠点としての振興はもちろん、貴重な自然体験の場を地域住民も含めた多くの人々に提供できるという意義を持つ。館山湾は独特の生態系を有しており、近海では見ることのできない多様な生物に出会えるのである。
こうした資源を広く人々に知らしめ、後世に残す取り組みに一役買っているのが、館山で活躍するNPO法人だ。県や市とのパートナーシップのもとで活動するボランティアのメンバーたちが、来訪者に館山湾の恵まれた自然をより深く楽しく知ってもらうべく海辺を案内する。海岸に打ち上げられた漂流物を採取しながら散歩するビーチコーミング、鏡ヶ浦の穏やかな海を体験するシーカヤック、サンゴウォッチングほか、館山ならではの海辺体験メニューが用意されているのである。 「昨年は38校が修学旅行で館山を訪れてくださり、本年はさらに上回る予定です。もちろん一般のお客様も増えています。こうした成果はNPOの方々の精力的な活動があってこそ」と語るのは、館山市港湾観光部観光立市推進課の山口孝副主査。市民と行政の協調により、館山の明日がつくり上げられていく。 |
海辺に市民のにぎわいを |
自然災害から地域住民を守るとともに、海岸の良好な環境を保全・創出する「館山港海岸環境整備事業」が県と市によって進められるなか、市民からもこれに同調する取り組みが現れている。NPO法人「たてやま・海辺のまちづくり塾」が、市とタイアップして取り組んだ「シーサイドセラピー社会実験〜里見癒しの足湯」は、港の新しい活用法のひとつとして話題を呼んだ。 この試みは2003(平成15)年10月、館山の秋の一大イベントである「里見ウイーク」に合わせて実施されたもので、「憩い、癒し、健康、楽しみ、誰でも(ユニバーサルデザイン)」がキーワード。砂浜に海を眺めながら入る足湯や茶店などを設置したほか、館山駅西口から海岸までのバリアフリーアクセス路の設置や、裸足で歩ける砂浜づくりなどが行われ、約630人が参加した。多くの参加者から継続的な実施を求める声が上がり、成功を収めたといえる。 これまで館山港周辺のにぎわいは、ほとんど夏の海水浴に限られている感が否めなかったが、この試みが成功したことにより、港が通年型の交流空間として活用できる可能性が示されたといえる。そして、その可能性が現実のものとして定着したとき、最も恩恵にあずかることができるのは、港へ気軽に出かけられる市民にほかならない。慣れ親しんだ故郷の海でコミュニケーションが生まれるのだ。 館山が目指すまちづくりは、南房総の観光振興とともに、日常的に地域住民でにぎわう海辺の創出である。観光客が訪れたくなる街とは、市民が暮らしやすく憩える街でもあるはずだ。館山にはそれを実現し得るだけの豊かな自然環境と市民の郷土愛が存在するのである。 |
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[写真左]毎年7月、館山港の耐震岸壁で開催される「館山うみまちフェスタ」 [写真中]海岸に設置された「里見癒しの足湯」が好評を呼んだ [写真右]館山湾を里海とするウミホタルはミジンコの仲間。刺激を受けると発光する |
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[取材協力・資料提供]千葉県県土整備部港湾課港湾整備室/館山市 港湾観光部海辺のまちづくり推進課・観光立市推進課/NPO法人たてやま・海辺の鑑定団/NPO法人たてやま海辺のまちづくり塾 |
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