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港を起点に都市を創る |
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有明海に面した宇土半島(熊本県)の突端に、明治20年(1887)、時代の最先端をいく西洋式近代港湾が誕生する。オランダ人技師ムルドルの計画で完成した三角西港である。明治政府の殖産振興にもとづき、国費を投じて建設された地方港湾の一つ。また一方では、九州各地との物流の拠点、さらに海外との交易を通じて新しい知識を吸収し、中枢都市として機能させたいという県民の思いを込めた港でもあった。
地形に恵まれた天然の良港といわれる場所に、安山岩の切石を積み上げた埠頭を構築し、背後を一体的に都市計画された街並みが囲む。それは港湾機能の整備にとどまらず、港を一つの都市(まち)と見たてた発想にもとづく、まさに港湾都市づくりの実践の場だった。 県民の思いをかなえるように三角港はその後、機能が現在の港に移るまで国際貿易港として発展する。100年を経過したいまも当時の埠頭や水路がほぼ原形のままで残り、港湾遺産としての評価は高く、平成13年に土木学会から土木遺産に選定された。 |
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